毎日新聞大阪版(2001.12.11)



 才媛の能力、今こそ発揮
 府立大阪女子大(堺市大仙町)大学院出身の女性4人が、ベンチャー企業「W・WORKS」(ダブル・ワークス)を設立した。教員有志が設立したベンチャー設立支援組織「大阪女子大SOHOサポートファンド」(理事長、中西進・前学長)の出資を受けた第-号で、大学のパンフレット作りや学会の運営事務代行などが業務。優秀なのに埋もれている女性の人材を掘り起こし、才能を生かせる場の提供も目指している。
 社長の難波美都里さんのほか、取締役の友村さおりさんらスタッフ全員が大学院修了生。女子大構内に約12平方炉の事務所用スペースを借り、初年度は年商800万円を目標にする。業務は、大学案内、ポスター、ホームページ作りの請負や、学会会員管理など。既に府内のある財団法人の調査研究事業を受注している。
 また、大阪女子大の卒業生のネットワークを作り、働く場を提供する事業も考えている。難波さんは「女性は結婚、出産などのライフスタイルの変化に応じて、働き方が変わる。ところが、時間的な制約で就労できない女性が多いのが現実」と会社設立の意義を説明する。社名の「W」には「WOMAN(女性)」「WEB(ネットワーク網)」などの意味を込めた。
 設立の中心になった難波さんは、金融機関のオンラインプログラマーをしていたが、大阪女子大に社会人入学して大学院に進んだ。その後も主婦の傍ら個人で大学のパソコン業務関連の仕事を請け負ったりしていたが、次第に高度な業務も任されるようになり、「会社を起こして、幅広く仕事を引き受けよう」と思い立った。大学院時代の仲間に声を掛け、資本金3OO万円の有限会社として登記を済ませたのは11月。サポートファンドからは約250万円の出資を受けた。
 4人は「手作りで立ち上げた会社。今は小さいけれど、多くの女性に夢と希望と元気をあげられる大きな会社に育てたい」と話している。      
           *新聞では「教官」と出ていましたが、実際には「教職員」の方々による有志です。