日本経済新聞
(2002.2.4)



SOHO投資ファンド
卒業生の起業を支援
大阪女子大学の教職員 総額300万円、償還期限なし

 大阪府立大阪女子大学(堺市)の教職員有志が、卒業生によるスモールオフィス・ホームオフィス(SOHO)企業に投資する基金(ファンド)を設立した。第一号案件として、卒業生四人が興した教育出版物企画会社に出資。卒業生の起業を資金支援する試みとして注目されそうだ。
 ファンドの名称は「大阪女子大学SOHOサポートファンド」で、運営責任者は前学長の中西進氏。大学当局は関与していないが、教職員二十三人と同窓会の合計二十四人が出資した。ファンドの総額は三百万円で、償還期限は特に設けていない。収益が生じればすべて大学に寄付する。
 投資を決めた企業はダブル・ワークス(堺市、難波美都里社長)。教育出版物企画のほか、インターネットのホームページの企画・運営、学会事務業務の受託などを手掛ける。有限会社で資本金三百万円。ファンドが二百五十万円を出資し、残りを設立者の卒業生四人が負担した。
 新たに投資先が見つかった場合は、教職員や同窓会に呼びかけて、そのつど追加出資を要請する。ファンド出資者の小股憲明教授は「起業を通じて、大学で学んだ知識を社会で生かそうとする卒業生を支援したい」と語る。