グラフさかいView(2002 vol.50)



優秀な女性の力を活かしたい
それが起業への第一歩
 大阪女子大学で学び始めた頃は、「自分が会社を起こす」なんて、まったく考えていませんでした。学問の面白さにふれ、とても刺激的で、充実した毎日でした。学ぶこと、出会う人、それらすべてが、今思うと、自分自身の糧になっていると思います。その中で、私が最も強く感じたのは、とくに大学院や社会人入学の卒業生たちが、自分を活かすことができる仕事に就くことの難しさでした。
 とても優秀で、素晴らしい可能性を持った女性の力を埋もれさせたままにしておくのは、本当にもったいない。何とかこのパワーを形にできないかと考えていたときに、大学案内を作る話があり、卒業生の有志でチャレンジしました。構成から取材、ライティングや印刷会社との交渉まで、すべてを自分たちだけで担当。それぞれが得意とする力を集結し、試行錯誤を重ねながらも、何とか初めての仕事をカタチにすることができました。

自分で起業すれば
年齢も性別も関係ない
 「自分で会社を起こしたら、年齢や性別なんて関係ない」。その気づきが精神面でのパワーに、そして「大阪女子大学SOHOサポートファンド」が資金面でのパワーとなり、(有)ダブル・ワークスを立ち上げることができました。設立メンバーは大学院出身の女性4人。年齢も考え方も違う仲間がそれぞれの得意分野を活かし、さまざまなアイディアを出し合っていくことで、会社としてはもちろん、人間としての幅も広がっていくという好循環が生まれています。
 現在企画しているのは、卒業生や在校生をメンバーとする仕事ネットワークの構築。それぞれのスキルや経験などを活かした仕事の提供や、働き方、環境作りなどをサポートする事業にも取組んでいきたいと考えています。

チャレンジ精神で
堺をもっと元気にしたい
 女性にとっての仕事は、ライフステージの中のひとつ。実際女性は、家事や育児などを引き受けながら生きています。本来、生活と仕事は生きていく上で別々に在るものではありません。両方が共に在るのが自然な生き方だと考えます。男性に比べて、「女性の方が、パワーがある」といった印象を与えがちなのも、そういった背景があるからかもしれませんね。
 「起業したい」という具体的な意欲を持った女性はたくさんいます。それ以上に「何かしたい!でも・・・」と動き出せないでいる女性が圧倒的に多い。私も、この後者のタイプでした。初めの第一歩を踏み出すことができれば、起業できる女性はもっと増えるはず。
 私が、自分で仕事を始めて感じたのは、「行動することが大切」ということ。恐れずチャレンジする。それが私たちのパワーの源です。この地に眠っている多くの可能性や意欲を引き出し、女性のパワーで堺を、南大阪を活気づけていきたい。そのために、私たちができること、やってみたいことに、どんどんチャレンジしていきます。