日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

ハイドロポニックス 第33巻 第1号 要約

特集:サンホープ八王子ファームでの取り組み

戸祭 克

株式会社サンホープは2017年に小さいながら試験,実証圃場を確保した.実証圃場はサンホープ八王子ファームと名付け,主に製品の性能試験と資材の実演の場として活用している.今回はそのサンホープ八王子ファームにて固形培地でのトマトの養液栽培において少量多頻度かん水の給液頻度と給液量が収穫量と品質にどのような影響があるのかを検証した.結果,かん水頻度と給液量によりトマトの収穫量と品質に興味深い影響があることが分かった.

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特集:光合成蒸散リアルタイム計測システム「Photo[synthesis] Cell(通称:フォトセル)」

磯山 侑里

水耕栽培設備メーカの協和(株)は、国立大学法人愛媛大学、PLANT DATA(株)と植物個体群の光合成速度、蒸散速度がリアルタイムでモニタリングできる光合成計測チャンバ Photo[synthesis]Cell(通称:フォトセル)の製品開発を行っており、協和(株)は2019年下半期に販売開始を予定している。フォトセルを用いた水ストレスの検知試験結果を紹介する。

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特集:低温CO2局所施用システム”真呼吸”

新村 素晴

 ハウス内にCO2を供給し、光合成を促進するシステムの紹介をする。この装置は、ハウス内の植物がCO2不足にならないように、必要な量を供給するだけでなく、換気中のハウスであっても局所的にCO2を与え続けて光合成を促進する。日本の施設栽培におけるCO2施用の普及率を向上させるために、著者は、燃焼熱を取り除くことと、ハウスの隅々までムラなく施用する技術の2つが必要であると説く。

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特集:プロファーム T-キューブのご紹介-植物の生育に適した環境を演出-

河合 幹裕

 大仙、トヨタネ、デンソーの共同開発により、高度な環境制御を行うために専用設計されたハウス「プロファームT-キューブ」が誕生しました。T-キューブは給気式(押込式)による強制換気システムにより、必要換気量に合わせて吸気ファンや側窓の開閉を制御することで、ハウス内の気流、気温、CO2濃度などが均一化され、ハウス内環境がより一層安定化することが期待出来ます。

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事例紹介:トマトパークアカデミー

杵渕 覚

(株)誠和と(株)トマトパークアカデミーが主催している人材育成活動について紹介する.当社は,1ha規模のフェンロー型温室を研修施設として所有しており,この施設を活用し,今年で4年目となる農業人材育成を行ってきた.寮を完備した宿泊型の研修施設となっており,研修生は,大型温室を活用した1年間の研修日程を通して,トマトに関する定植から収穫までの工程を学習する.これまでの3年間の卒業生の多くが農業後継者であり,親元において経営継承を目指して,栽培に取り組んでいる.

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事例紹介:次世代施設園芸・北海道拠点の取り組み

山下 純一

 苫東ファーム(株)は農林水産省の「次世代施設園芸導入加速化支援事業」により,全国10拠点の一つ,北海道拠点として富士電機㈱,清水建設㈱などの出資により平成26年度に設立された.現在,4haの太陽光型植物工場にて業務用イチゴの周年生産を行っている.なお,本支援事業の10拠点の内でイチゴの生産を行っているのは本拠点のみである.本稿では,苫東ファームの概要とこれまでの取り組みについて紹介する.

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事例紹介:次世代施設園芸・宮城県拠点の取り組み

金子 壮

㈱デ・リーフデ北上は次世代施設園芸拠点の1つであり,2016年に設立された.今回はその栽培概要と取り組みについて紹介する.㈱デ・リーフデ北上は宮城県沿岸部の石巻市北上地区に位置しており,ここで豊富な日射量と夏季冷涼な気候を生かしながら,トマトとパプリカの生産を行っている.社員は8名で,総務,トマト,パプリカと担当者が分けられている.また,50名程度のパート職員で,品目ごとに栽培と選果を行っている.

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研究の紹介:養液栽培および植物工場におけるマイナークロップ導入の検討

伊達 修一

近年,施設園芸に占める養液栽培面積の比率は年々高まっており,人工光型植物工場も増加傾向にある.このため,養液栽培あるいは植物工場での栽培に適した生産作目の拡大は重要な要素の一つである.本稿では養液栽培あるいは植物工場への導入適性が高いと考えられたブロッコリー・ラブおよびゴマの研究例について紹介する。

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研究の紹介:トマト果実のカリウムを減らす

塚越 覚

 「昔のようにトマトを丸かじりしたい」という言葉から始まった研究である.Kは植物体内でイオンとして存在し,葉,茎,根に含まれるKが果実肥大期に果実へ容易に移動するため,厳密なK施肥管理に加えて,Kの移動の制御が必要である.複数果房の着生と,K施肥の量的な管理によって,トマト果実のK濃度を低下させる研究成果の紹介である.

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連載:ホープが語る!未来のハイドロポニックス 中国と養液栽培用肥料について

大野 勝也

養液栽培用肥料の中国での調達状況と中国での向上や当社が肥料を通じて行う業務について

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新製品の紹介:除湿機能付暖房機コントローラ「だんぼう当盤」

大野 真奈美

トヨタネ㈱は新製品「だんぼう当盤」を2019年5月に発売した。だんぼう当盤は温風暖房機用コントローラで、次の3つの特徴を持つ。①傾斜温度管理-スムースな温度変化で植物へのストレスや結露を防ぐ、②温度変化の学習機能-温度変化を学習し狙った範囲で温度管理、③除湿機能-相対湿度センサーを使い必要なときのみ暖房除湿・細やかな送風設定で省エネ化。

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新製品の紹介:うるおいいーら

大澤 政敏

農家さんの声を元に「うるおい いーら」を静岡県農林技術研究所と共に開発した。
本製品は、葉面積と蒸発散量、飽差を軸に自動給液を行うシステムである。
急な天候変化による設定変更の回数が大幅に減り、生産者の手間を軽減し、作業時間の短縮に貢献する。
農業の近代化に伴い、見える化、省力化、遠隔操作など個々の生産者に合った製品・システムを山本電機は提供している。

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連載:養液栽培で発生する病気の基礎知識 (14)軟腐病

鈴木 幹彦

軟腐病は多犯性の細菌病で、軟化腐敗を引き起こし、強い悪臭を放つ。高温期に発生しやすい。防除は施設の温度管理、換気に努め、発病株は早期に処分する。抗生物質剤、銅剤、オキソニック酸剤、微生物農薬を予防的に散布する。

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