私は、臨床でさまざまな領域での経験を積んだ後、大学院に入学しました。長い経過を辿る神経難病患者に対して、自分に何ができるのかと悩み、自分の力や知識だけでは解決できないことの不全感や葛藤を体験した時に、その出来事としっかり向き合えるだけの力をつけたいと考え、大学院への進学とCNSを目指す決意をしました。
大学院に入れば答えがすぐ明らかになると考えていましたが、1年が経った今は、疑問を抱く力、自分で解決していく力を身につけるところに大学院の意味があると感じます。大学院では主体性を求められ、1つのテーマに絞って文献を読み、解釈し、プレゼンテーション中心に授業を進めていきます。自分自身で考えて模索していく日々は大変ではありますが、得られることのほうが多く、知識の積み重ねを実感出来ています。またそれぞれに目的を持った志の高い院生とのディスカッションをする中で、新しい発見や自分とは異なる考え方に出会うことができています。図書館は全国看護系大学の中でも屈指であり、先生方からは授業や研究課題に関するご指導・ご助言といつも温かい励ましをいただき、恵まれた学習環境の中で大学院生活を送っております。刺激的な毎日で、忙しさもありますが、「大学院に進学して良かった」と心からそう思います。2年生となり、研究と慢性疾患看護実習が中心となっていますが、将来患者や家族にとって必要とされるCNSとして活躍できるよう、自己研鑚に励んでいきたいと思います。
私は大阪府内の看護系大学で勤務しながら、2011年4月より大学院博士後期課程に入学しました。博士後期課程では、看護ケアの妥当性を科学的に検証するための研究方法を開発するために、1年次で色々な先行研究をクリティークする方法を学びました。さらに、自身の研究テーマに沿った概念分析をすることで、研究の基盤となる概念枠組みについて理解し、自身の研究計画に活用していくことができました。講義前には、学生同士でグループワークをし、講義では複数の先生からのアドバイスを頂くことができ、学びが深まりました。
社会人を続けながらの勉強や研究は、時間的に大変な時もありますが、学生として真剣に勉強できるという機会は貴重なことでもあり、その貴重な学びをこの大阪府立大学大学院で送らせてもらえていることを幸せに思っています。2年次3年次では、これまでの学びを生かし、自身の研究テーマである急性心筋梗塞患者のセルフケアに関する研究を本格的に実施します。私は、急性心筋梗塞患者のQOLを維持・向上できるためのセルフケアモデルを開発する予定です。このセルフケアモデルを開発し、将来的にはそのモデルに基づいた看護介入を実践していくことで、患者や社会に還元できるよう精進したいと思っています。
「専門看護師を目指そう」と決心し、勤務していた病院の休職制度を利用して大学院に入学しました。長い臨床経験の中で病棟や外来の治療部門でたくさんのがん患者さんと関わってきましたが、患者さんの抱えている複雑で様々な問題が見えてくるにつれて、しだいに自分の看護の限界を感じるようになりました。がんサバイバーとして生きていく患者さんのよりよい生活を支えるために、自分の看護師としての能力を高め、看護職者をはじめ多職種と協働しながら活動の幅を広げたいと考えるようになり、そのために専門看護師として活動したいという思いを抱くようになりました。大学院への進学を決めてからも、実際の学習や学習の環境を整えられるのかなどの面で「本当に自分がやっていけるのだろうか」との不安がありましたが、家族や先生方、同級生に支えられてこれまで頑張ってきています。大学院での学びでは、これまで臨床の活動の中で良い結果が出ていた事例を振り返りながら理論的な裏付けを得ることができて看護師としての自信につながり、また課題として残してきたことについては、今後の方略の示唆を得ることができ理論の重要性を認識しています。演習では1人の患者さんと向き合い、看護過程の展開にじっくり取り組むことができ充実感を味わいました。そのほか、大学院では職場での役割から解放され、幅広い年齢層や、様々な施設から集まってきた方々と「同級生」となることがとても新鮮でした。良い意味で肩の力を抜いて過ごしています。また、大学院では学習に追われることもありますが、新たな経験をする機会が多いことから、改めて自分自身と向き合い発見することがあり、これからの活動をする上で必要な時間であることを感じています。あと残りの学生生活を自分の課題を見つめながら、できるだけたくさんのことを得て臨床に戻り専門看護師として活躍されている先輩方に続いていきたいと思います。
私は、短期大学で介護福祉士の資格を目指す学生の養成を行ってきました。しかし、学生に教える中で、まず私自身が十分に高齢者ケアについて理解出来ているのだろうかと、考えることが多くありました。また、特別養護老人ホームで勤務した経験もあり、その際に施設で働く看護師の在り方について疑問に感じることがあり、高齢者施設で働く看護師の専門性について考えてみたいという思いがありました。そのためには、研究方法をしっかりと学びたいと思い大学院に入学することを決意しました。
大学院にいくにあたって仕事を辞めるという考えは浮かばず、長期履修制度を使って、働きながら勉強していきたいと考えました。仕事をしながら働くことは時間的な余裕がなく大変ですが、仕事で閉塞感を感じる時にも、大学院で学ぶことで見方を変えることが出来、うまくバランスが取れています。何よりも、先生方や同級生が長期履修であることに対して、細やかな配慮をしてくれます。3年間かけて勉強するため、同期生とは学習の進度が違いますが、それゆえに何かに取り組む時にはアドバイスをいただくことも多いです。大学院でこのような温かい同期生とのかかわりがあるとは、思ってもいませんでしたが、そのおかげで様々な困難を乗り越えることが出来たと思っています。
入学後、講義は学生主体のプレゼンテーションを中心とする形式であったため、その準備に多くの時間を費やしました。最初は戸惑いましたが、今まで、これ程までに一つのテーマに絞って資料を集め、解釈し、他者に伝えるためにはどのようにまとめればよいのか考えた経験はありませんでした。そして準備をする中で、一つのことを突き詰めて考える楽しさを知りました。また、自分の専攻以外の院生とのディスカッションも、刺激的で視野を広げる機会になったと思います。
今、2年目の後期ですが担当の先生方の導きによって、自分のしたい研究テーマが絞られ、データ収集のため、特別養護老人ホームでインタビューを行っています。分析をする中で、データとじっくりと向き合い、今まで見えてなかったことが見えてきたり、ケアを行う上で様々なことが影響している等に気付くことで楽しさを感じています。研究方法の基礎を学び、少しでも高齢者ケアの向上に尽力出来ればと思っています。
私は17年間の臨床経験の中で、6年間管理職を経験しました。臨床では実に多様な問題が日々起こっており、問題解決に奔走する毎日でした。特にスタッフとの関わりを含めて、“人”の管理の難しさを知った6年間であったと思います。部署の看護を支えているのは実践者であるスタッフであり、自分の個性を大切に、活き活きと働ける現場をつくっていくために管理者としてどのように関わっていけばよいのか、ということを考えていました。管理者としてはまだまだ未熟で力不足、自分の努力次第でもっと臨床は良くなるのではないかと思い、大学院で看護管理学を学ぶ道を選択しました。
入学してからの前期の半年はあっという間に過ぎました。大学院では自分たちでテーマに沿った文献を読み、資料をつくり、プレゼンテーションをする、という形式で授業を進めていきます。ですので、常に授業の準備に追われている感は否めませんが、文献検索の方法やテーマに沿った資料の作り方などこの半年で身についたものも多かったと思います。また、授業準備はグループで進めていくことから、グループ間でディスカッションが深められたことも良かったと思います。職歴や年齢の違う同級生たちと意見を交わす中で、自分が知らなかった分野の話を聞くことで見聞を広げることができ、そしてまた客観的にこれまでの自分を振り返る機会にもなりました。このように日々たくさんの刺激を受けながら1年間が過ぎ、次の1年は修士論文作成に向けて具体的に活動していく期間に入ります。
どんな1年になるのか楽しみでもあり、不安でもありますが、同級生たちと支え合いながら進めていきたいと思います。
大学院での2年間という貴重な時間をより有意義に過ごせるように研究に打ちこみ、そして学生生活そのものをしっかりと楽しみたいと思っています。
患者さんはご家族の一員であり、ご家族は看護を受ける対象となり得えます。しかし臨床経験を重ねていくうちに、患者さん以外のご家族への看護実践は難しいのだろうか、何とかならないだろうかという思いが、ますます高まっていきました。臨床現場においては、机上では学べない多くの知を得ることが出来ます。臨床の知を学問としてとらえ理解を深めることができたら、私もそして臨床現場の看護師もきっと患者さんを含めたご家族によりよい看護が実践できるだろうという思いから、大学院の入学を決めました。
現在、臨床現場で十数年過ごした経験をふまえ、教員の方々のご指導を頂きながら改めて家族看護を学ぶ中で、さらなる知識を得て統合するということを行っています。そのような中で、学ぶということは限りないことなのだな、と日々実感しています。ハードではありますが、家族看護についての世界が広がるという楽しみがあります。
また本学の大学院は、他の大学院に比べて多くのCNSコースが設けられています。このことはCNSを目指す者として、他分野におけるCNSの役割を知る機会となるとともに、多分野との協働について学ぶ機会にもなります。臨床経験豊富なCNSコースの学生達と共にコミュニケーションを図ることは、臨床経験や机上の学習を越えた収穫があります。大学院生として学習課題をこなしながら実習や研究に取り組むというハードな環境ではありますが、とても恵まれた環境で学ぶことができていることを実感しています。
一年次には、タイ王国バンコクのマヒドン大学ラマティボディ校における国際交流プログラムに参加させて頂きました。文化の異なる家族看護を学ぶことは、同時に日本における家族看護について改めて考える機会となりました。大学院において海外の文献にふれる機会はたくさんありますが、本学にはこうした国際交流の場もあり、より国際的視野をもった看護実践を意識できたらと思っています。
私は、大学生の時に取り組んだ卒業論文で、分からないことや興味のあることについて調べたり、新しい知識を得たりすることの楽しさを知りました。その頃から臨床で経験を積んだら、大学院へ進学しさらに学習を深めたいと思っていました。そして整形外科病棟での4年間の臨床経験を経た平成21年4月、臨床で行ってきたケアの科学的根拠について知りたいと思い、看護技術学分野を選択し大学院へ入学しました。
1年前期では、学生主体のプレゼンテーションを中心とする授業形式への戸惑いや、院生に求められる論理的思考や文献検索力、専門知識の習得のレベルまでなかなか到達できない自分への悔しさから、壁に突き当たることもありました。しかし先生方の熱心な指導や図書センター司書の方の支えもあり、多くの課題を乗り越えることができました。そして何よりも大きな支えになったのは、豊富な経験と幅広い知識を持った同期生との出会いでした。同期生とのディスカッションは、臨床経験が十分でない私に新たな視点や知識をもたらし、とても有意義なものとなりました。1年後期になると、文献検討を中心に学習を行い、研究テーマを明確なものへとしていきました。そして、自分の臨床経験を踏まえたケアの科学的根拠の解明につながる研究テーマを見つけることができました。今まで経験したことがない計測機器を用いた看護技術の評価を行う実験研究を目の前にし、不安もありますがどのような結果になるのか今はとても楽しみです。
これからの1年は研究計画書の作成、研究の実施、データの分析・考察という1つ1つのステップを踏まえ修士論文の完成という大きな課題に取り組まなければなりません。この1年間と同様に、同期生と励まし合いながら着実に取り組んでいきたいと思います。そして看護師として、より効果的で科学的根拠のある看護ケアを患者様に提供することを目指して、修了後も研究活動を続けていきたいと考えています。
私は、大学病院で4年間の臨床経験を経て、平成21年4月から大学院に入学にしました。臨床1年目の時は業務を覚えることで精一杯でした。しかし、経験年数を重ねるにつれて、複雑で解決困難な問題をもつ患児・家族の看護ケアを考えるときに、同僚とカンファレンスをしていても方向性が見えない、これでいいのかと思うことが多くなり、自分自身の小児看護の知識不足を感じるようになってきました。また、慢性疾患や小児がんの子どもたちは退院後も症状コントロールや治療が継続されます。病棟でスタッフとして働いていると、入院中は密接に関わることができても、退院して外来通院になると、関わることは難しくなります。しかし、子ども・家族は、在宅療養移行後も様々な不安・問題を抱えています。私は、在宅療養をしている子ども・家族に対しても関わりたいと思うようになり、「大学院に進学してもっと小児看護について学びたい」、「小児看護専門看護師になりたい」と考える動機となりました。
入学してからは、授業の準備に追われました。大学院の授業は、講義を聞き、学ぶということは少なく、学生が講義のテーマに対して文献を十分に調べて、プレゼンテーションをします。これは、学部の時にも学んでいたのに、臨床でつながっていなかったと反省することもしばしばあります。しかし、臨床を経験し、また大学院で学んだからこそそのことに気付くことができたというのは、とても意味があることだと思います。また、大阪府立大学では、院生室があり、他分野の院生同士のコミュニケーションがとりやすいこともいいところだと思います。様々な経験をもった人と話せること、他分野の状況を知ること、同級生が頑張って勉強している姿を見ることで自分自身にとってよい刺激を受けています。自分の未熟さを思い知らされることもありますが、先生方、同級生、家族に支えられて、頑張ることができています。残り1年間実習、課題研究と自分に負けずに乗り越えたいと思います。
患者さんやご家族のために看護は何ができるのかと思い、ひたすらベッドサイドで丁寧にケアすることにこだわってきました。そのために、患者さんの病態を理解し、ケアの根拠を追及し、心を込めて実践するように意識していました。しかし、臨床現場の忙しさの中で無意識に、時間に流されることもあり、不全感が残ることがありました。同僚やスタッフ達と話すと、私と同様の不全感を持っていることに気づき、このままではよい看護は提供できないと考えました。でも、問題を解決しようとしても知識がないためにどうしてよいのか立ち止まることが何度もありました。そして、自分自身が事象をどのように捉える傾向にあるのか、物事を分析するときに偏りはないのか、ということに疑問を持ちました。また、私一人で感じることができ、考えたとしても、周囲に伝えられないために実践に繋がらないこともあり、ジレンマを感じることもありました。すでに活躍しているCNSの方に相談した時に、「理論を学びたくさんの言語を身につけ、現場をサポートする役割とその責任を担っていくCNSを目指したらどうか。」とアドバイスをいただき、大学院への進学とCNSを目指す決意をしました。
大学院生活は一言で表現すると『刺激的』です。自分の専攻分野以外の仲間達とコミュニケーションをとることで自分の看護観に刺激を受けますし、専門分野での授業では教授や准教授、先輩方とのディスカッションやアドバイスで視野が広がります。看護倫理学や理論看護学、看護管理学などの基盤教育の授業では、今までの看護を振り返ることができ、これからCNSの礎(いしずえ)を築きあげるために重要な時間であると思います。授業準備の大変さはありますが、得られることのほうが多く、知識の積み重ねを実感できます。休職中ですので、学びを追求するということだけに時間を費やせるということはたいへん貴重なことと痛感しています。先生方が時間を惜しまず私たちの学びを支援してくださいますので、2年間という短い時間を無駄にしないよう貪欲に学び得ようと思います。
平成20年4月、大学院生として学生生活を始めました。周囲の友達からは、仕事をやめて学業に専念するということについて大変驚かれました。大学を卒業して臨床での経験を経て、患者とかかわることの楽しさと同時に、生きるということのシビアな現実に看護の難しさや限界を感じることがありました。また、大学での助手(助教)としての経験を経て、今までの看護について振り返ることができ、未来の看護師を育てる教育のあり方や研究を重ねていく事の大切さを感じました。これから自分が看護の道をどのように進んでいこうかと考えたとき、もっと知識を得、深く考える能力や、臨床に戻っても研究ができる能力を養いたいと思ったのです。これが大学院に行こうと思った志望動機です。
入学する前から、1年の前期は大変だと聞いていたのですが、まさにその通りでした。授業が始まり、今はとにかく必死で目の前の課題やプレゼンテーションをクリアするということで精一杯な日々を過ごしています。しかしそのような状況の中でも、同期の仲間や先生方のすごさに刺激を受けたり、励まされながら、得られるものは自分にとって1つ1つ新しい発見であり学びであると感じています。仲間と試行錯誤しながら学ぶ日々は必死で大変ですが、その分有意義で、新しい視点を知ることができる楽しさがあります。また、今まで仕事をしているときと違って、どっぷりと学びを追求するということに没頭することができ、時間を費やせるということは貴重で幸せな環境であると感じています。
これからこの貴重な2年間を今後の活動に活かしていけるよう、当大学院を卒業され活躍されているCNSの方々を大きな目標として、患者や家族の方々が必要とされる看護の課題や専門性についてしっかりと考え、研鑽していきたいと思っています。
私は大学院へ入学する前は看護専門学校の専任教員をしていました。臨床で看護師として働いているときから、いつかは教育の場で働きたいと願っていたのですが、実際に教員になってみると教育全般に関する自分の知識不足や理論的な根拠の無さ、また論理的な思考力の不十分さを痛感し、学生との関わりにおいて教員としての自分に自信の持てない日々でした。そこで大学院へ進学し、看護教育についての知識を深め、自分の中で不確かなまま教育に携わっていた部分をクリアにしたいと考え、人・環境支援看護学領域、看護教育学分野の受験をしようと考えました。
2年間学業に専念するということは経済的な負担等を考え躊躇する部分も大きかったのですが、今は家族の協力を得て学習する環境が整えられています。合格通知が届いてから入学までの半年間は、本当にやっていけるのだろうかと、これから始まる日々に期待と不安の入り混じった複雑な思いが交錯していました。実際に入学してみると、やはり学習の内容は濃厚でボリュームもあり、じっくり時間をかけて取り組む必要があり、学業に専念できる環境にしておいたことは間違いではなかったと実感しました。
M1の前期は取り組むべき課題の山を前にして、どこから手をつけようかと呆然と立ちすくむようなこともありましたが、いつも同期の仲間に支えられてなんとか乗り切ってくることができたと感じています。数人のグループでプレゼンテーションの準備を進めていくことで、それぞれの学生の多様な考え方に触れることができ、また難解な統計手法なども互いに教えあうことで理解を深めることが可能となり、グループダイナミクスの効果を身をもって実感することができたと思います。
これから修士論文の完成に向けてひとつひとつステップを踏んでいくことになりますが、孤独な研究の作業の中にあっても、顔を見るとホッと心が和む同期の仲間と励ましあいながら頑張っていきたいと思っています。
私は2008年3月に大阪府立看護大学を卒業し、同年4月に大学院に入学しました。私は保健師志望で学部の4年生になってからは公務員試験の勉強や就職活動を行なっていました。しかし、以前から大学院というところに興味を持っていたので、就職か進学かと迷う日々が続いていました。大学院で保健師の活動の実際について専門的に知りたい、もっと勉強したいと思う一方で、周囲の友達が就職をする中で臨床経験もなく大学院に進学して意味があるのか、ついていけるのかと2つの選択肢で大きく揺れていました。しかし、先生方に相談にのっていただき、やはり「勉強したい」という今の気持ちを大事にしたいと考え、進学を決意しました。
入学してみると、学部生の時とは違う毎日に初めは戸惑いました。大学院での授業は学生によるプレゼンテーションで、一回の授業の資料づくりに何日も前から取り掛からなければなりません。また、私は臨床経験がなく現場の現状を知らないため、資料づくりひとつにしても自分の無知を実感することが多く、悩むこともあります。しかし、大学院には仲間という大きな支えがあります。地域分野だけでなく、いろんな分野の仲間との授業でのディスカッションや院生室での会話は私の知らない現場のことを知ることができ、とても有意義な時間となっています。
毎日がわからないことの連続で悩むことも多いですが、先生方や大学院の仲間、家族に支えられながら勉強できる今の時間を大切にして、私の前にある課題をひとつずつ確実にこなしていきたいと思います。そして、大学院で学んだことを将来、臨床に出たときに地域に還元していけるような保健師になれるよう、仲間と切磋琢磨し看護職としての自分を高めていきたいと思います。
私は2007年、春に大阪府立大学大学院博士前期課程看護学研究科がん看護学CNSコースに入学いたしました。私の進学動機は、患者の意思決定の尊重がいわれる中で、患者、家族、医療者間の調整において、看護師としての役割の難しさにジレンマを感じたことがきっかけでした。
院生生活は、すべてにおいて主体性を求められ、毎日、課題や講義のプレゼンテーション準備に追われ、苦難の連続です。しかし、同期の仲間とともに試行錯誤した経験は、強い連帯感を培い、財産とも言える大切な仲間を得ることができます。また、看護を振り返ることの大切さを改めて痛感し、大学院で学ぶ機会を与えられたこと、支えてくださる先生や先輩方、同期の仲間、友人、家族等に感謝する毎日です。
博士前期課程の講義は大きく基盤教育と専門教育からなります。基盤教育の講義は、どれも興味深く、専門領域の違う仲間とのディスカッションは大変刺激的で、大学院ならではの有意義な時間です。専門教育の講義では、がん患者と家族への看護に適用される概念や理論、それらを踏まえた看護援助を中心に学び、毎回テーマに沿ったディスカッションを行います。ディスカッションでは、個々の看護観に触れ、多方面から看護を考えるきっかけとなります。また、外部の著名な先生方の講義もあり、大変充実したカリキュラムになっています。これら講義での学びが演習での実践に結びついたとき、看護の面白さ、奥深さを再認識し、自己の成長を実感できる瞬間でもあります。2年生となった今は、研究とがん看護CNSに向けての実習が中心となり、多忙な日々が続いていますが、仲間と支え合い、時にリフレッシュしながら、乗り越えていきたいと思っています。
当大学院では、卒業された多くの方が、全国各地でCNSとして活躍されており、私にとって大変心強く、励みになっています。私の長所である、チャレンジ精神とプラス思考で苦難を楽しみに変え、自分の目指す道に向かって、更なる学びを深めていきたいと思います。将来は、患者や家族にとって必要とされるがん看護CNSとして活躍したいというのはもちろんですが、大学院での学びが日本の看護学の発展に寄与できる道筋になるように一日一日を大切に、自己研鑽に励んでいきたいと思います。
平成19年度 大学院生の声 | ![]() |
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平成18年度 大学院生の声 | ![]() |
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平成17年度 大学院生の声 |
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足立安正
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中納美智保
大学院博士前期課程 人・環境支援看護学領域修了 |
院生としての苦労や喜び 入学当初は、授業の準備や文献検索など効率よく時間を使うことが出来ず戸惑いましたが、授業が進むにつれ、図書館の活用の仕方を含め、自分なりの勉強の方法をつかむ事ができました。 授業では、新しい看護学の知識の修得と共に、自分の看護実践の内容や臨床での倫理的問題などを振り返り、追求し学習することで、自分の看護に不足していた点がより明確となりました。また、様々な経歴を持つ仲間や先生方とのディスカッションでは、いつも様々な視点から刺激を受け、多くの気付きを得ています。これでこそ大学院だと実感しています。 研究について 私は、看護師の対人関係に関する研究を修士論文として取り組みました。研究テーマについては、臨床での経験から漠然とは考えていましたが、授業やゼミを通じて、徐々に絞り込んでいきました。テーマを絞り込むことは、とても大変でしたが、このプロセスがこの大学院での醍醐味なのかなぁ〜と実感しています。これから本格的な研究活動に入り、期待や不安がありますが、がんばって取り組みたいと思っています。この大学院で学んだ看護学や看護研究能力を卒業後に活かすことができるように、残りの大学院生活を満喫したいと思います。 |
大井美紀 大学院博士後期課程 生活支援看護学分野修了 |
博士後期課程の学生は、自立して独創的研究活動を行うことを目指しています。本大学院には、こうした志を持った学生を支援する人的・物的教育環境が整備されています。 1.充実した教授陣と学生の主体的な学び 学生の多様な看護研究ニーズに対して、学内外の教授陣の、専門的・学際的な研究指導が行われます。また学生は、自らの研究の方向性を見極めるために関連学会や研究会に参加したり、授業で取り組んだ課題レポートの一部に加筆・修正を加え、専門誌や大学紀要等へ投稿するよう努力しています。 2.研究に重点を置いたカリキュラム 論文作成の準備に重点を置いた方式になっているため、学生は入学当初から、各自の研究テーマに関連した勉強を進めることができます。1年時履修の「看護研究方法論」では、国内外の先行研究の批判的分析・検討のアプローチ方法を学び、「看護理論開発方法論」では、各自の研究に関連する文献レビューや中心概念の分析を行います。これらの科目が研究の土台となり、ここを疎かにした研究は砂上の楼閣であることを痛感しました。授業の進め方は、専門領域が異なる学生間(3−5人)でのディスカッションが多く取り入れられました。2年次には、研究計画書及び研究倫理の審査の約7ヶ月後に、中間報告会が設けられており、論文の内容及びその進捗状況を大学内外に発表し、広く意見や助言を聴取する機会となっています。いずれのハードルも高いのですが、一つ越える毎に、研究が前進してゆくのを実感します。 3.先端設備と細やかな学内サービス 大学院棟内には、自習室(各自の専用スペース)・情報処理室・会議室等が完備されています。また学内の図書館の蔵書は充実していますし、司書の方から有用な情報を頂くこともあります。この他、遠隔地の学生に対する教務課の方々のご配慮など、全学をあげて大学院生をサポートして下さっています。 4.学生間の交流 博士後期課程在籍中の学生が一同に会することは難しいのですが、メーリングリストを活用しての情報交換が活発に行われており、時には先輩からの助言や励ましのメッセージも届けられます。また、中間報告会や論文発表会は院生主体で開催され、終了後の茶話会では、先輩方の体験談や後輩への引き継ぎ事項なども伝達されます。 21世紀の看護は「百年生きる地球人」を対象に構築されなければなりません。そのためには、新たな知見や技術の開発に積極的に取り組む必要があります。本大学院で出会った恩師や友を手本にしながら、自立した研究者へのスタートラインに立てるよう研鑽してゆきたいと思います。 |
里深 瞳 大学院博士前期課程 療養支援看護学領域 慢性看護学分野修了 |
現在の立場 現在、本学看護学部療養支援看護学領域の助手として勤務しています。 大学院での学びとその後 大学院入学以前に小児難治性気管支喘息患者の看護に携わり、慢性疾患を持つ患者とその家族が抱える問題の複雑さや、ケアの困難さに幾度となく直面してきました。その中で、看護師として、より専門的で高度な実践・研究能力を養いたいと思い、本学大学院に入学しまし行くた。大学院では、専門的な科目だけでなく、基盤教育での科目も大変興味深いものであり、諸先生方から、国内外問わず最先端で深精な学識を得ることができました。また、授業や実習において、学問としての看護と臨床実践の連結やその重要性を強く実感させられました。そして、様々な分野で経験を積んでいる仲間との出会いはとても刺激的で、数多くのプレゼンテーションと討議を通して、これまで培ってきた看護観や倫理観を振り返り、自己の人間性を高めることができたと思います。充実した大学院生活は、今後教育者、研究者として従事する私にとって、大きな糧になったと思います。 今後の抱負や課題 少子化、高齢化、国際化など日本の社会構造は急速に変化し、社会のニーズも多様化しています。それらに対応して、活躍できる看護専門職者を育成するという重大な責務を果たすために、今後は臨床での実践経験も積み重ねながら、自己研鑽に励んでいきたいと思います。そして、研究活動を積極的に行い、特に大学院で取り組んだ課題研究を発展させて、広く社会に貢献していきたいと思っています。 |
但馬直子(厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 総務課 虐待防止対策室) 大学院博士前期課程 生活支援看護学領域修了 |
活躍の場 厚生労働省で働く看護技官は、平成16年4月現在40人ほどいます。その配属先は、医政局、健康局、雇用均等・児童家庭局、社会・援護局、老健局、保険局、等と様々です。 日々看護職は、看護師保健師助産師法、医療法、地域保健法、老人保健法、母子保健法、介護保険法等といった法的基盤に基づいて業務を行っていますが、これら医療や看護にかかわる様々な法律や制度が作られていく過程において、私達看護技官は、国民が主体的に心身共に健康な生活を送ることができるようなしくみ作りを目指して、専門的知識や情報に基づいて意見やアイデアを出しながら働いています。 大学院での学びとその後 専門的な技術や知識のブラッシュアップや、現場での業務の振り返りを行うとともに、保健師としての専門性について考えてみたいと思い、大学院に入学しました。看護理論学、看護倫理学、看護政策学、看護学研究法といった基盤分野で学んだことが、これまでの自分の看護活動におけるつまづきや悩みを少しづつ解決してくれたように思います。さらに机上で学んだことを活かしながら理論や科学的根拠に基づいた看護活動のあり方について考え、具体的にCNS実習において実践して確認したことが、今の仕事で役立っていると思います。 今後の抱負や課題 省に入って2年目の異動で法案改正の場面を体験することになり、政策決定過程を濃縮した形で学んでいるところです。看護職としての視点をそれらの場面で如何に盛り込んでいくことができるのか、責任も重いですが、やりがいのある仕事であると思っています。 |
鈴木久美(聖路加看護大学 実践開発研究センター) 大学院博士後期課程 療養支援看護学分野修了 |
大学院での学びを終えた今 2003年3月に大阪府立看護大学博士後期課程での学びを終え、早2年が経過しました。修了後は、臨床の場で患者さんにとって心のこもった質の高いケアを具現化するには何が必要なのかを日々探りながら、実践してきたように思います。大学院での学びは、私にとって看護を振り返り、その本質とは何かを再考する場となり意義深く大変貴重なものでした。そして、3年間の研究を通して人をケアあるいは看護する奥深さと魅力を体験しました。現在ではこれらの学びを基に、臨床で実践を積み重ねながら、多くの看護師が日々のケアを振り返りより良いケアができるよう臨床研究の指導に携わっています。また、質の高い医療を提供できるよう看護師だけではなく医師、理学療法士、薬剤師など医療に携わるスタッフと協同してチームを作り、心身ともに傷ついた患者さんのQOLがどうしたら高まるのかチームで議論しながら、その患者さんにとっての最適なケアについて話し合い実践しています。臨床の場では、医学や看護学が発展し、医療技術が進歩しても、日々悩むことが多く容易に解決できない問題がたくさんありますが、いつでも初心を忘れずにケアの本質を見極めながら自己研鑚に励みたいと考えています。 大学院では研究や倫理、理論などより専門的な勉強をしながら、看護の奥義をこれまで以上に学ぶことができたと思っています。看護について少しでも立ち止まって考えたいと思う方、あるいは看護を深めたいと思う方、さらに自己開発をめざす方には、きっと本学の大学院での学びの場は良い機会になると思います。 |