日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

ハイドロポニックス 第26巻 第1号 要約

事例紹介:雇用維持に重点を置いた計画生産

渡辺 一弘

ミツバを中心とした水耕葉物野菜を、取引先のニーズに合わせて計画生産を行い、雇用労働力を無駄なく配分することによって収益率を上げている。
ミツバという品目の収益率を上げるためには生産量を調整する必要があり、多品目化は雇用の維持を目的としてのことだが、現在は取引先のニーズと雇用のバランスがとれた経営をしている。

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事例紹介:ミツバの水耕栽培とイチゴ狩り園の複合経営

岡田 篤

既存のみつば温室の一部をいちごの観光農園にシフトチェンジすることで、みつばといちごの複合経営にチャレンジし、その成果と今後の課題や目標について考察する。

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事例紹介:「豊川の切りバラ生産」の現状と新しい試み

熊﨑 忠

愛知県は全国1位の切りバラ生産面積・生産量を誇り,全国シェアの約16%を占める大産地である.特に豊川市のJAひまわりバラ部会が生産する切りバラは量・質ともに全国トップクラスである.JAひまわりバラ部会を中心に豊川のバラ生産・流通について紹介する.

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研究の紹介:トマト果実の低カリウム化に関する研究

塚越 覚

研究の始まりは,腎臓病でカリウム摂取制限を受けている患者さんの「以前のように生のトマトを丸かじりしたい」という一言であった.中玉トマトを用いた試験の結果,培養液の低カリウム管理と植物体の仕立て方によって,食味に影響を与えない範囲で果実のカリウム含有量を40~50%程度減らすことが可能と考えられた.さらなる低カリウム化には品種の選定も重要な要素となりそうだ.

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研究の紹介:低カリウムメロンの生産に関する研究の現状

浅尾 俊樹

厳しいカリウム摂取制限を強いられている慢性腎臓病患者向けに低カリウムメロン生産の研究を行っている.現在,食品成分表記載値の約50%まで,カリウムを低下させることに成功している.

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研究の紹介:夏秋ナスの土壌病害を回避する低コスト独立袋栽培

熊崎 晃

高齢で小規模な生産者が多いナス農家に導入できるよう低コストな隔離栽培システムの開発を行った。システムは液肥混入機を用いないなど、安価なシステムとした。肥料は肥効調節型肥料を組み合わせて、置肥で行う。現地試験においても、土壌病害の発生は見られないうえ、地区の平均単収を上回る収量性が得られ、省力化も計れることが分かった。導入経費も零細な農家が導入可能なものとすることが出来た。収量性が低下する場合もあるので、導入にあたっては対象を明確化することが肝要である。

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連載~オランダトマトの多収化を探る~(5)オランダ品種の収量と乾物生産

東出 忠桐

品種面からみた多収化の原因を探るため、オランダの栽培環境で新旧品種を比較したところ、新しい品種ほど収量が多く、品種変化による多収化が確認できた。新しい品種における果実収量の増加は、果実内の乾物含量が低下することによるのではなく、果実の乾物収量が増加したことに起因していた。乾物収量の増加に対しては、果実への乾物分配の関与は確認できず、植物全体の総乾物重の増加の関与が深いことが明らかになった。

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新製品・サービス紹介:新型リン酸肥料「スーパーFK」

田畑 正秀

養液栽培用新型リン酸肥料「スーパーFK」を紹介する.スーパーFKは従来のオルトリン酸とは異なる分子構造を持った全く新しいタイプのリン酸肥料である.培養液のpHがアルカリに傾いても沈殿しにくく、リン酸やカルシウム、マグネシウム等の可給性が向上し、その結果植物の生育が促進される.またスーパーFKは潅水チューブなどのスケールや目詰まりを防止する効果もあり、潅水設備のメンテナンスコストと労力が削減される.

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新製品・サービス紹介:ハウス加温機用省エネ資材「エコ・ステンフィン」

近藤 公一

エコ・ステンフィンとは,ステンレス板にステンレス製の特殊板を多数取り付けたもので,ステンレス製バンドを使用し缶体に取り付けることにより,熱交換効率を上げる効果を期待できる構造になっている.
缶体の放熱面積をアップさせ,またステンレス特有の蓄熱効果により加温機の燃焼時間を減少させることで,約15%の燃費向上を図っている.平成21年12月に実用新案登録済み.現在,全国で販売数が増加している.

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新製品・サービス紹介:エフクリーン®の製品開発及び展張実績紹介

江口 義昌

AGCグリーンテックが販売するフッ素フィルムエフクリーン®に使用されている樹脂や品種の説明。太陽光利用型植物工場普及に向けて実証・展示された事例の一端をご紹介しています。又、弊社が開発を進めているテーマについて解決したい課題や問題点を挙げています。更にフッ素フィルムの特長を活かした農業以外の用途である膜構造物としての国内外の採用事例も併せてご紹介しています。

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新製品・サービス紹介:次世代複合環境制御システム プリバ・コネクストについて

ジブ・クレメール

次世代複合環境コントローラー プリバ・コネクストを紹介する.コネクストはプリバ社の50年に及ぶ環境制御コンピューター開発の集大成であり,4つのC,Continuity(連続性),Connectivity(接続性),Compatibility(互換性),Connectivity(制御性)の進化を基本コンセプトとしている.その特徴は,通信技術の向上,柔軟なネットワーク,低コスト化・簡素化,多様なセンサーの活用等であり,今後の大規模施設での活躍が期待される.

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特集—施設園芸における光環境制御技術:光技術と植物生理の応用

福田 直也

植物の基本的な光応答反応とその応用事例について紹介する.

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特集—施設園芸における光環境制御技術:最新照明技術と植物工場

後藤 英司

LEDが一般照明用光源として普及しつつある現在、施設園芸・植物工場においてもLEDが導入され始めている。しかし、植物育成用の照明は一般照明と異なる点があるため、LEDを用いて効率的な生産をするためには、光源の特性を理解した上でLEDを利活用することが必要である。本稿では,人工光を利用する植物工場を取り上げ、植物工場で高品質の作物を生産するための光源の特徴とLEDの利活用について紹介する.

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特集—施設園芸における光環境制御技術:光を利用した花きの花成・形態制御

久松 完

電照を用いた花き類の開花や草丈調節の鍵となる光周性花成と避陰反応にかかわる最近の話題について紹介する.

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特集—施設園芸における光環境制御技術:光質制御被覆資材の利用

浜本 浩

施設の光質環境を制御する手段のうち,被覆資材について紹介する.光選択透過性資材には,紫外線カットフィルムや熱線カットフィルムのように実用化されているものもあるが,可視光をカットするものについては実用例が少ない.しかし,R/FR比制御による作物の伸長制御や色による害虫侵入抑制のように,使えそうな効果もある.光波長変換資材には作物生育促進効果や害虫侵入抑制効果がみられるものもあるが,効果の持続性に課題がある.

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特集—施設園芸における光環境制御技術:植物栽培用各種人工光源

田澤 信二

1879年にエジソンが白熱電球を開発してから約70年後、我が国ではキクの電照より人工光源が利用されてきた。最近では白熱電球や蛍光ランプの代わりに固体発光素子のLEDが省電力・長寿命などから一般照明用新光源として注目をあびている。本編では、植物栽培に応用される光源と実施例などを紹介する。

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