日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

ハイドロポニックス 第33巻 第2号 要約

特集:養液栽培における生理障害に関して

寺林 敏

養液栽培で発生する生理障害のうち、高温障害、養分欠乏、トマトの生理障害、葉菜類のチップバーン、その他の生理障害について、症状と発生原因並びに、発生を軽減回避する方法等について解説

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特集:Ca栄養とトマト尻腐れ果の発生

寺林 敏

Ca欠乏を起こしやすい理由を、Caの吸収特性、体内の移動性、必要な組織および器官への流入、作物の生長速度といった観点から開設すると同時に、それらの特性からCa欠乏症の発生を防ぐ方策に述べる。

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特集:レタスのチップバーン発生要因について

丸尾 達

Ca欠乏の生理障害の一つであるチップバーンは、特にレタス類で被害が甚大であり、土耕栽培に比べて養液栽培で発生が多い傾向がある。また植物工場で良く栽培されるリーフレタスは、太陽光型植物工場の養液栽培に比べ人工光型植物工場で被害が大きい。本稿ではレタスのチップバーンの発生要因、効果的な制御方法について概説する。

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特集:キュウリ葉脈間黄・白化症

中野 明正

葉脈間が黄・白化するという現象は,元素が関連した生理障害のプロセスが想定されるが,MgやFe欠乏が直接的に関与するだけではなく,リンの過剰が引き金となって,水溶性のMgやCaの輸送が阻害され,組織の壊死が生じることもある.土壌や培養液のチェックはもちろんであるが,植物体の分析も定期的に行い,適切に管理されているかを計測し,総合的に評価していく必要もある.

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特集:養液栽培における根部障害の正確な診断に向けて

伊達 修一

養液栽培では溶存酸素欠乏や異常pHの他、様々な要因によって根部障害が発生することがある。本稿では、クロラミンや亜硝酸による根部障害について解説する。

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特集:イチゴの生理障害

井狩 徹

イチゴ養液栽培における生理障害「チップバーン」「窒素欠乏」「黄白化葉」「奇形果 花の枯死」「B欠乏、過剰」「心どまり株」「鶏冠果」について発生場所、時期、症状、対処方法について説明。

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事例紹介:次世代施設園芸埼玉県拠点の取り組み

大塚 和美

次世代施設園芸埼玉県拠点は,旧来のプロダクトアウト型農業(できたモノを売る)から,マーケットイン型農業(売れるモノを作る)への転換を目指し,単なる契約栽培の枠を超えた「農販一体」の取り組みを進めている。「首都圏近郊にお住いのお客さまが,欲しいときにいつでも手に取ることができ,味も見た目も良い,自信をもっておいしいと言えるトマト」という商品コンセプトに基づき、それを実現するための生産方法,組織体制等を採用し、日々改良を行っている。

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事例紹介:次世代施設園芸愛知県拠点の取り組み

大門 弘明

日本10か所に整備された次世代施設園芸拠点の1つが愛知県拠点であり,3.6haの栽培面積にて,ミニトマト生産に取組んでいる.今回は初期の設計の考え方から,様々な挑戦課題として,例えば労働効率向上,夏を越えるための栽培方法等,どのように取組んでいるのかを紹介する.

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研究の紹介:オミクス情報に基づく施設栽培トマトの環境制御

筧 雄介

SIPプロジェクト「統合オミクス情報を利用したトマトの体系的最適栽培管理技術の開発」では環境センサー情報、オミクス情報(ゲノム、遺伝子発現、ホルモン量、アミノ酸、糖、その他の二次代謝産物量)と植物の生育、トマト収量、果実品質などの情報を大量に収集した。これらを利用した成果として、CO2濃度などの環境制御目標の設定に役立つ生育・収量シミュレーションツールがいくつか出来てきている。本稿ではそれらを中心に成果の全体について紹介する。

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研究の紹介:植物の『しおれ』に基づくAI灌水制御手法の研究開発

峰野 博史

これまで,モバイルコンピューティングや無線センサネットワーク,知的IoTシステムといった情報科学分野を主とする研究に取り組んできた.無線通信技術を活用した新たな応用分野を模索しているうちに,植物工場や施設園芸,特に養液栽培といった技術との接点が生まれ現在に至る.『植物の気持ち』を経験と勘と度胸で判断してきた匠の技は,仮説と検証と膨大なデータでコンピュータに表現させられるのではないかと感じた.本稿では,トマトの低段密植養液栽培における灌水のみであるが,水を欲していそうな植物の顔色を察して灌水制御することを目指した研究成果を紹介する.

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研究の紹介:ドジョウとレタスを組み合わせたアクアポニックス

和田 光生

野菜などの植物の水耕(ハイドロポニックス)と魚類の水産養殖(アクアカルチャー)を組み合わせた“アクアポニックス”をドジョウとレタスの組み合わせで実施している.アクアポニックスで生産すると生育がよく,おいしいレタスとなる.アクアポニックスはどのように行うのか?システムや栽培での注意点などを紹介する.

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新連載:ホープが語る!未来のハイドロポニックス
高糖度中玉トマトの生産技術の向上と共通の品質基準によるフランチャイズ(FC)展開

玉井 大悟

静岡県袋井市のサンファーム中山(株)では、高糖度トマト、低カリウムマスクメロンを周年生産している。設立時10aであった栽培面積は約4年で110aに拡大した。現在、当社では生産に注力するため、Happy Quality(株)で販売管理を行い、生販分離の体制をとっており、今後フランチャイズ展開を計画している。当社の現在の取組と今後の展望について述べる。

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質疑応答:最近話題のビール酵母細胞壁を用いたプラントアクティベーター(植物防御活性剤)について、教えてほしい。

北川 隆徳

ビール酵母細胞壁分解物による,植物の病害抵抗性誘導,発根促進作用,及び土壌還元作用による植物病害の抑止効果について概説

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