日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

ハイドロポニックス 第34巻 第2号 要約

特集:養液栽培に使う水も、やっぱり”水物”

切岩 祥和

養液栽培はきれいな水を豊富に確保できることが大前提となる。生産をはじめると栽培システムや作物の状態にばかり目が行きがちとなるが、いろんなトラブルの原因が最も信頼していた水だったなんて経験はないだろうか?この機会にご自分で使っている水について見直してみましょう。

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特集:栽培現場での水質トラブルとその対策

佐々木 達也

養液栽培において原水の水質はとても重要である。水質によっては生育不良の発生や点滴チューブの目詰まり,給液機器故障の原因となる事がある.養液栽培システムの販売、アフターフォローを行う中で経験した、現場での水質トラブルと実際に行われている対策について紹介する.

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特集:水媒伝染性病害の特性と対策

草刈 眞一

養液栽培における水媒伝染性病害(Pythium

属菌および近縁菌による病害)の発生生態と防除対策についてまとめてみた。防除対策では、高温性Pythium

属菌への低温処理、はじめ、オゾン、紫外線殺菌、最近使われている界面活性剤による伝染器官制御に対する効果等についての解説。養液栽培の病害防除に対する今後の対策等について検討。

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特集:無機銀系抗菌剤を使用した循環培養液除菌資材『除菌タン君Ⅲ号』の特徴と導入事例

長谷 達也

養液を循環させる水耕栽培においては,養液中での病原菌の発生は病気の蔓延につながるため,大きな問題としてとらえられている.当社は独自技術で開発した無機銀系抗菌剤を活用して,養液中に発生する病原菌の蔓延を抑制し,循環システムにおける一問題点を改善する商品を開発した.その商品の特徴と導入事例について紹介する.

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特集:オゾン光触媒,紫外線を用いた培養液除菌装置『ピュアキレイザー』の特徴と導入事例

矢田 勝久

オゾン,光触媒,紫外線を用いた促進酸化装置であるピュアキレイザーの構造及び製品紹介。
ピュアキレイザーを農業分野に適用した場合の事例紹介として,東洋バルヴ㈱で実証試験を行っている排液再利用にピュアキレイザーを使用した場合のシステム紹介

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内外のニュース:日本養液栽培研究会第30回研修会(基礎編) 「養液栽培夏の学校」

深山 陽子

10月中旬からビデオ・オンデマンド形式でおこなった。

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内外のニュース:日本養液栽培研究会2020年度総会について

塚越 覚

10月30日にリモート会議システムを使って行ったので、その概要を紹介する。

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内外のニュース:コロナ禍における2020年の各地の生産動向

塚越 覚

本研究会もいろんな行事がなくなり、内外ニュースのネタがない。それはコロナによる世界的なトラブルによるものである。そんな中でも生産を続けている現地の様子をまとめたので報告する。

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事例紹介:次世代施設園芸富山拠点での高糖度トマト周年安定生産の取り組み

山藤正智・高田健一郎

「次世代施設園芸富山県拠点」では,廃棄物焼却発電施設で発電した電気とその廃熱を利用して施設の加温・冷房等を行うとともに,「アイメック農法」を導入し,高糖度トマトの周年生産に取り組んでいる.安定生産を図るため,環境・生育データに基づく栽培管理・環境制御を行うとともに,冬季等の寡日照期の収量向上を図るため,全施設にLED補光装置を導入した.加えて,GAPを導入し、効率的な生産管理に努めている.

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事例紹介:次世代施設園芸宮崎県拠点の取り組み

押川 浩文

  • 施設の特徴とハウス構造
  • 栽培方法の概要と変遷
  • 外国人技能実習制度の活用
  • 環境制御機器への関心と普及の状況

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研究の紹介:施設園芸作物の生育・収量予測

東出 忠桐

日射・気温・CO2等の環境情報と葉数・葉面積等の作物情報を入力すれば,毎日どれくらいの乾物生産が行われるか,収量がどうなるかを出力する,生育・収量予測ツールを開発した.環境条件を変えたら生育や収量がどうなるのかを,あらかじめ予測(このままだったら)・試算(条件を変えれば)して,有利な方を選択することで栽培方針の決定に利用できる.ツールに利用によりトマトの10a当たりの年間収量は50トン以上となることを示した.

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研究の紹介:キュウリの土耕・培地耕交互栽培

大木 浩

キュウリの土耕・培地耕交互栽培を開発した.交互栽培では,冬期は養液土耕を行い,夏期はヤシ殻培地を用いて養液栽培を行う.周年の土耕栽培と比べ,夏期に施設土壌が休耕状態であり,無消毒でも土壌病害虫の密度低下が期待できる.土壌消毒期間分,収穫期間を延長できる利点もある.周年の養液栽培と比べると,栽培ベンチや冬期のための培地加温設備,排液回収用設備が不要と,土耕と培地耕のいいとこ取りで省力かつ低コストである.夏期の給液管理と冬期の線虫対策について詳述する.

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研究の紹介:石垣島でのアジアモンスーンモデル植物工場の開発

中山 正和

石垣島で研究しているアジアモンスーンモデル植物工場の概要について紹介した.高温多湿な石垣島でトマトを周年生産するために低段密植栽培を行い,夜間冷房や細霧冷房などを組み合わせた統合環境制御や熱線反射フィルムを用いた栽培試験を行っている。イチゴは夜間冷房やクラウン冷却などを組み合わせ,様々な品種を栽培時期を変えて栽培している.その結果、トマトは10aあたり年間30 ton、イチゴは3.5~4 tonを達成した.

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連載:ホープが語る!未来のハイドロポニックス
養液栽培とのこれまでの関わり

吉田 英生

本研究会の運営委員として,事業・企画部会内に新設された国際部門にて会員の方々にとって有益な海外の情報を収集や,発信をすることとなった.本稿では,自己紹介を兼ねて養液栽培や本研究会員の方々とのこれまでの関わりについて紹介をした.

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新製品の紹介:UECS統合環境制御機能を装備した次世代栽培システム「らくラックEvoマスター」と「ゆめ果菜恵Evo マスター」の紹介

吉永 孝行

UECS統合環境制御機能を装備した次世代栽培システム「らくラックEvoマスター」と「ゆめ果菜恵Evo マスター」の紹介文.農業-農業のプラスチックマテリアルリサイクルに取り組んできた㈱サンポリの製品開発とともに紹介.

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連載:やさしく解説!植物生理学 第二回「植物の細胞を作る部品」

福田 直也

植物が生きる仕組みを学ぶ植物生理学を連載記事として解説する.第一回は,植物が浸透や拡散といった物理現象により,水やCO2を吸収する仕組みを解説する.

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質疑応答:国内の農業コンサルティング事情について教えてください

木村 美紀

施設園芸の大型化に伴い国内外の農業分野でコンサルティングの導入が広がりつつある.一般社団法人日本施設園芸協会がとりまとめた報告書から,国内の農業コンサルティング事情を紹介する.

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海外文献の紹介:パーライトバイオフィルタのある循環式アクアポニックスシステムにおけるアンモニアの生物ろ過とキュウリ収量を両立させるpH

山内 悠司

アクアポニックスでは硝化と水耕に関して最適なpHが異なっている.本実験ではpHを変えたアクアポニックスを実施し,キュウリの収量やアンモニアの除去率,魚の致死率などを調査した.
 キュウリの収量は最終的にどの処理区でも有意差が認められず,アンモニアの除去率はpH 8.0のアクアポニックスで最もよかった.また,魚の致死率や摂餌活性はpH 8.0で最もよかった.そのため,アクアポニックスではpHを8.0に調節するのが良いと考えられた.

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海外文献の紹介:有機水耕は空気伝染性病害である灰色カビ病に対する全身抵抗性を誘導する

山内 悠司

CSLを用いた有機水耕では根圏に微生物群集が形成される.根圏の微生物群集は植物に誘導全身抵抗性をもたらす.本実験ではレタスの有機水耕を行って培養液をレタスとキュウリに噴霧し,灰色カビ病に対する抵抗性について調査した.
 本実験ではレタス,キュウリの両方で抵抗性が誘導された.植物では防御応答関連遺伝子の発現が増加し,JA・ET経路を活性化させることが示唆された.CSLを用いた有機水耕は地上部の病害抑制にも有用であることが示された.

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