日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

オランダにおける研究生活 (2)

通信員 農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
東出忠桐

筆者は、農研機構の長期在外研究員として2007年1月より2008年4月までオランダのワーゲニンゲンURにおいて施設園芸に関する研究を行っている。今回は研究以外の身近な話題について少しだけ紹介する。

オランダの小学校

ワーゲニンゲンにはオランダ人向けの小学校しかなく、当然、授業はオランダ語で行われる。ところが、ワーゲニンゲンには大学や研究所があるために外国人がたくさん住んでいる。そこで、筆者の子供たちの通う小学校では今年1月に外国人用の特別クラスが設けられた。そこでは外国から来た子供たちにオランダ語の初歩を教えてくれる。

オランダでは4歳から小学校に入る。そのため日本では幼稚園児の息子も小学校に通っている。オランダの小学校は送り迎えが必要であり、さらに年少の息子のクラスでは、朝、10分ほど親が一緒に遊んであげなければいけない。また、子供たちは昼休みには学校から出なければならない。小学校と筆者の研究室が近いので、毎日、子供たちを大学に連れて来て一緒に弁当を食べている。送り迎えはオランダでは当然のごとく自転車である。

オランダのサンタクロース

日本ではサンタクロースといえばクリスマスであるが、オランダではサンタクロースとクリスマスは全く別である。オランダのサンタはシンタクラースとよばれ、スペインから船でやってくる。今年は11月17日にワーゲニンゲンの船着場にやってきた。船着場にはシンタを歓迎するためにたくさんの人々が集まった。シンタクラースはズワルテ・ピートとよばれる顔をまっ黒にしたお供を連れている。到着した一行は街の中心部までパレードを行うが、その際にお菓子を配るので子供達が殺到する。配られるのはシナモンの入ったクッキーみたいなお菓子である。

シンタクラースとお供のピートは、到着後、各地を訪れるようだが、ワーゲニンゲンではシンタの家が設けられていた。小学校に通う息子はクラスでシンタの家に行ってピートらと一緒にお菓子を作った。スーパーでは子供の靴を預けておくとシンタからプレゼントがもらえた。シンタクラースの誕生日は12月6日であり12月5日の晩には各家庭や仲間どうしでお祝いをする。よい子はプレゼントがもらえて悪い子はスペインに連れて行かれるそうである。シンタクラースはオランダ人にとってお祭り行事のひとつである。

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