肥料の吸収特性と濃度の適正範囲 |
(1)各要素の吸収特性
@吸収されやすく濃度が薄く推移しやすい成分
硝酸態窒素、アンモニア態窒素、りん酸、カリ、マンガン、
A吸収が遅く濃度が濃く推移しやすい成分
カルシウム、マグネシウム、ホウソ、イオウ、鉄、銅、亜鉛
B必要な成分でないが、吸収が少なく蓄積する傾向にある成分
ナトリウム、塩素
従って、循環式の場合であれば@の成分濃度が下がり、A・Bの成分濃度が上がりやすくなるので、
独自の単肥配合を行うことが望ましいです。
(2)養液のバランスの目安(一般的)
養液のバランスがある程度許容範囲があり、以下の程度であれば、補正や入れ替えの必要性はないですが、
作物によって異なるので注意が必要です。例えば、トマトではカリが不足すると果実の肥大に大きく影響します。
※量的管理版では、許容範囲に収めるのではなく、目標濃度での管理をめざしています。
表 施用培養液に対する培養液中の目標濃度と好適濃度
肥料要素 |
目標濃度 |
好適濃度 |
硝酸態窒素 |
100% |
75〜125% |
アンモニア態窒素 |
75% |
100%以下 |
リン |
75% |
50〜100% |
カリ |
75% |
50〜100% |
カルシウム |
125% |
100〜150% |
マグネシウム |
200% |
100〜300% |
イオウ |
150% |
100〜200% |
鉄(Fe) |
125% |
100〜150% |
銅(Cu) |
125% |
100〜150% |
亜鉛(Zn) |
125% |
100〜150% |
マンガン(Mn) |
75% |
40〜150% |
ホウソ(B) |
150% |
100〜200% |
(注1)農林水産省野菜・茶業試験場(現中国農試)「田中和夫」より一部改変
(注2)目標濃度が低いのは比較的吸収されやすい成分で高いのは吸収されにくい成分です。