「第5回 養液栽培夏の学校 2004」
−日本養液栽培研究会主催

「夏の学校2004」概要の報告

 「養液栽培夏の学校」は,養液栽培技術普及の一端として,養液栽培に関する基礎的な知識と技術を習得して頂くことを目的に,2000年から毎年開催されている.
これまでに大阪府立大学で2回(初級編),千葉大学で2回(初級編,中級編)を開催している.今回は,会場を神奈川県平塚市にある全農 営農・技術センターに変え,初級編を開催した.
 参加者は23名で,内訳は試験場や普及所など公務員の方が8名,企業からの方が10名,大学職員の方が2名,農業またはこれから農業を始めようという方が3名であった.
 今回は,プログラムの改変を行い,講義では,初心者が養液栽培で一番つまずきやすい培養液に関する単位や計算問題を解く演習に時間を多く配分した.また,実習は大きく分けて2つを行った.一つは,本会団体会員である(株)誠和,(株)M式水耕研究所,(株)太洋興業の3社から,養液栽培システムを借用して組み立ておよび簡単な制御機器の制作と使用方法に関する実習で,装置の基本構造と制御方法を理解して頂いた.もう一つは,培養液の調製,多量要素の分析の実習であり,培養液の計算に関する演習との関連性を高めるように構成した.
 時間割は,午前の部2コマ(1コマは1時間半),午後の部3コマとしたが,さらに夕食後に夜の部を開催し,昼間十分に解説できなかった内容の補講や研修生からの質問や相談を受けた.結局,毎日朝9時から夜9時頃まで研修が行われた.
 見学会では,トマト,ミツバの生産現場および神奈川県農業総合試験場を視察した.
 終了後のアンケートでは,参加者にはほぼ満足して頂ける研修であったことが伺えた.しかし,参加者の養液栽培に関する事前の知識に大きく開きがあることから,難しかったという人も簡単だったという人もおり,クラス分けの必要性があること,十分な実習を行うためには,資材の充実が必要であることなど,数々の問題点が指摘された.これらの事柄は,次回には出来るだけ解決していきたい.
「夏の学校2004」に関するご意見,ご質問は,和田(wadoo@plant.osakafu-u.ac.jp)まで
<養液栽培夏の学校2004 実施内容>

期間:2004年8月7日〜12日
場所:神奈川県平塚市東八幡5-5-1
    全農 営農・技術センター
参加者:23名
講師:
 千葉大学園芸学部 篠原 温
 静岡大学農学部 糠谷 明
 大阪府立大学大学院農学生命科学研究科 池田英男
 千葉大学園芸学部 丸尾 達
 筑波大学農林学系 福田直也
 千葉大学園芸学部 塚越 覚
 京都府立大学農学部 伊達修一
 大阪府立大学大学院農学生命科学研究科 和田光生
 佐野幸一(神奈川県,バラ生産者)
 三倉直己(静岡県,イチゴ生産者)


 日本養液栽培研究会では,今年も「養液栽培夏の学校」を下記の要領で開催致します.養液栽培に関する基礎的な知識と技術を習得して頂くことを目的とした初級コースとなります.併せて,初級コースに参加される方の中で,養液栽培についてまったくご存じない方のために,基本的な名称や用語などを理解して頂くための入門コースを,初級コースに先立って1泊2日で開催します.奮ってご参加下さいますようお知らせ致します.
このホームページから申込書とカリキュラムをダウンロードすることができます.
開催期間 2004年8月7日(土)〜8月12日(木) 6日間
場所 JA全農 営農・技術センター
〒254-0016 神奈川県平塚市東八幡5-5-1
参加費 研修費40,000円+宿泊費,食費(宿泊費・食費とも全農の基準によるのでかなり安いです)
申込方法 参加希望者は申込書で申し込みください.詳しい内容はホームページをご覧ください.ホームページをご覧になれない場合は,下記まで連絡ください.詳しい資料をお送りします.
〒599-8531 堺市学園町1-1 大阪府立大学農学部 池田英男
 FAX:0722-54-9918
定員 20名(応募者多数の場合は抽選とさせていただきます.)
申し込み締切 2005年6月15日(必着)
宿泊と食事 宿泊を希望される方には全農の宿泊施設(営農・技術センター内,1泊4,000円)が利用できます.研修期間中の食事は,朝400円,昼500円,夜900円でご用意できます.
*宿泊,食事は,いずれも予約制となります(料金は受付時に徴収します).
問い合わせ
不明な点,ご質問は下記までお願いします.
静岡大学農学部 糠谷 明
fax: 020-4668-2317
E-mail: abanuka@agr.shizuoka.ac.jp