日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

ハイドロポニックス 第31巻 第1号 要約

特集:施設園芸のさらなる発展を -研究会30周年にあたって-

寺林 敏

養液栽培研究会の30年を概観し、施設園芸の将来展望(夢)を語らせていただいた。

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特集:これからの日本の養液栽培に必要な技術開発

岩崎 泰永

近年施設内環境管理についての研究、製品開発が進んでいる。本来、環境管理と培養液管理は相互に影響しあうものなので、今後養液栽培に必要な技術として、CO2、湿度等の施設内環境要因にあわせた培養液管理、また、最近研究がすすんでいる半閉鎖型環境における培養液の管理、培養液の循環利用に関するもの等があげられる。

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特集:普及の現場から養液栽培研究会に期待すること

加藤 俊博

養液栽培がここ数年伸びたのは、養液栽培システムに光合成量を最大化する環境制御技術とモニタリング技術が組み合わさったことで、収量性・収益性が著しく向上したためである。トマトでは、高軒高ハウスと統合環境制御と養液栽培システムを組み合わせた高生産システムが今後も増加するとみられる。日本養液栽培研究会が養液栽培農家の競争力を強化させ、強い経営体を育成することで、施設園芸、養液栽培の発展、普及拡大に貢献できる実用的な研究会・支援組織となることを期待する。

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特集:記憶の中の水耕栽培から見えるもの

栗田 洋蔵

記憶の中にある、昭和47年から父親が始めた水耕栽培は、いわば五里霧中であったようだ。農家の長男として必然性を感じ電気技術者から脱サラして始めたみつばの水耕栽培は、数値化できる培養液管理であり前職の経験が生かせる農業であったが、よりよい管理を実現するために悩みも多かった。その中で出会った日本養液栽培研究会は大きな研鑽の場になり、そのご恩は感謝せずにはおられない。

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特集:養液栽培をはじめて、研究会に期待したいこと

南出 卓哉

私が養液栽培をはじめるきっかけ,そして本研究会に入会をし,そこでの学びや出会い,それらを活かした今日の経営と将来の展望について,また今後の養液栽培の発展に向けて,本研究に望むことなどを記す.

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特集:365日安定出荷し続けるために、研究会に期待したいこと

甲斐 剛

静岡県藤枝市に本社を置く㈲新日邦は、新規事業として完全人工光型植物工場での農産物生産販売を目的として、2014年1月に大規模植物工場「808FACTORY(第1工場)」を建設し、静岡県内を中心に販売を行ってきた。2017年4月には、最新の設備を備えた808FACTORY第2工場が完成し、更なる生産拡大を進めている。独自に改善を進めてきた本工場の特徴と販売手法、今後の課題について述べる。

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特集:養液栽培の核となる肥料の製造販売を担うメーカーとして

三好 規

OATアグリオは現場のニーズに合った養液栽培用肥料を開発し、安定的に製造販売を続けてきた。これからの養液栽培はサステーナブル農業が支持され、無機肥料だけでなく有機肥料を取り入れた養液管理の研究が進むものと期待される。また、日本で成熟された養液栽培技術は、海外でも展開できる可能性がある。

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事例紹介:IGH(豊橋市)での国産大玉トマト50t採りにおける潅水管理

山崎 貴之

IGHにおいて3年連続で可販果収穫量50t/10aを達成した。その秘訣は作物の状態を把握し、その状態に合った適切な管理をして、生育バランスを良好に維持することである。生育バランス操作の方法として「潅水管理」に注目した。潅水は毎日行うもので、環境や時期による影響を受けにくく、年間を通じての生育バランス操作が可能であると考えた。さらに「培地重量センサ」の利用により、栽培管理で必要な生育コントロールの幅を広げる事にもつながり、生産性の向上にも貢献できると考える。

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事例紹介:浜松PCガーベラの取組み

杉浦 浩文

JAとぴあ浜松の共選部会である浜松PCガーベラは発足28年目をむかえた。最初の10年は、パッキングセンターの設立と生産者の規模拡大による経営モデルとして名を馳せ、その次の10年は、生産者主導のプロモーションとマーケティングでブランドを築くことができた。そして、この10年の集大成として、1)環境認証制度の取得と積極活用、2)浜松産品種「和」ガーベラの開発の両輪に力を入れている。

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事例紹介:かながわスマート農業普及推進研究会の取組み

下薗 健志

神奈川県では,限られた施設面積で自立した経営を可能とする,神奈川らしい都市型スマート農業の確立に向け,「かながわスマート農業普及推進研究会」を平成27年に設立した.研究会では,スマート農業の普及推進に向け、平成28年度に環境計測装置の普及啓発パンフレットを作成,配布した.今後は平成30年度までに高収量高品質を実現する環境制御技術を確立し,神奈川らしい都市型スマート農業の確立を目指す。

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研究の紹介:熱CO2プロの研究成果~CO2の有効利用~

鈴木 克己

施設園芸における化石燃料から排出されるCO2を減少させるために行われた農水省委託プロ「熱CO2プロ」で得られた研究成果のうち、木質バイオマス利用技術、暖房機から排出するCO2を利用するCO2吸脱着技術、工業から排出されるCO2も利用できるCO2ハイドレイト利用技術、局所施用などのCO2有効利用技術について紹介した。

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研究の紹介:水耕栽培トマトの生理障害の発生に関する研究

寺林 敏

トマトの生理障害のうち、心腐れ果、小孔果、小室褐変果、つやなし果について最近の研究で明らかになったことを紹介する。

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研究の紹介:植物工場における一過性遺伝子発現法による有用タンパク質生産
 〜栽培条件最適化の取り組み〜

藤内 直道

完全人工光型植物栽培施設,いわゆる植物工場の用途は食用植物生産に留まらない.ワクチンや抗体などの有用タンパク質を植物工場において生産する方法が近年注目されている.本稿ではその生産法の中でも一過性遺伝子発現法と呼ばれる方法に注目し,その方法の概要と植物工場が生産の場として選ばれる理由を述べた後に,一過性遺伝子発現法による有用タンパク質生産に適した植物栽培条件について明らかにしてきた内容を紹介する.

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連載:ホープが語る!未来のハイドロポニックス 養液栽培の技術を乾燥地農業にいかす!

中山 正和

中東の乾燥地域で農業開発をしている中で養液栽培に興味を持った動機や,養液栽培の技術を乾燥地農業に活用できる可能性について紹介する.また,その具体例として,イラク国北部のクルド地域において開発した簡易な閉鎖型苗生産システムの概要と経済性についても説明する.

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新製品の紹介:手軽に導入可能な圃場環境モニタリング「みどりクラウド」

持田 宏平

みどりクラウドは,環境モニタリングに特化することで,低価格で誰でも簡単に利用でき,既存の施設にも導入可能であることを特徴とした農業向けクラウドサービスである.計測した環境データは,逐次クラウド上に記録され,どこにいても手軽に圃場環境を知ることができる.また,これらのデータを生産者同士で共有することも可能である.すでに全国で導入が進んでおり,損失の回避や収量の拡大などの成果が得られている.

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連載:養液栽培で発生する病気の基礎知識 (10)灰色かび病菌

渡辺 秀樹

灰色かび病は、多くの品目で発生が見られる。第10回は、本病の発生生態や養液栽培における伝染環、防除対策について紹介する。

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