日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

ハイドロポニックス研究会in宮崎

通信員 農事組合法人 大久保園芸 佐野公彦

ハイドロポニックス研究会を、7月5日から6日にかけて宮崎県臼杵郡門川町にて開催しました。 今回で5回目となるこの研究会は、第1回では参加者が4法人の5名でしたが、回を重ねるごとに参加者が増え、今回は生産者をはじめ行政関係者の受講もあり総勢24名の研究会となりました。

今回のテーマは有機養液栽培です。有機肥料による養液栽培技術の開発者である野菜茶業研究所の篠原信先生を講師にお招きしました。この会場は生産者としては初めて有機養液栽培の試験栽培をおこなっている新門剛さんの栽培圃場にあるところで、新門さんは水耕栽培の低段密植による高糖度トマトの生産を行っていています。

今回は中部国際空港から講師の篠原先生とご一緒することができました。中部からの参加者は私を含め10名でした、集合場所の空港から早速情報交換と篠原先生が現在されている研究などの話が始まりました。 参加者は20代から40代と比較的若い生産者が多く、勉強熱心な方ばかりなのもこの研究会の特徴といえます。

5日は会場のかどかわ温泉「心の杜」で昼食とったあと新門さんの試験栽培の施設を見せてもらいながら説明を受けました。参加者は40度以上もある暑いハウスの中にもかかわらず、長時間熱心に説明を聞き多くの質問をしていました。

その後は会場に戻り、篠原先生の講義を受けました。講義では時間をかけて分かりやすく説明していただきながら、多くの質問や活発な意見もあり、予定の時間をオーバーして懇親会の時間に食い込んでしまうほどの座学となりました。篠原先生のお話は、有機肥料は養液栽培には使えないという固定観念を覆し、微生物と上手に付き合うことで水を耕し実用化の道を切り開いたものでした。また、この技術はこれから起きるであろう、肥料不足問題の解決になるかもしれないと予感するものでした。

懇親会から夜なべ談義と深夜(明朝?)までみなさん熱心に語り合っていました。

翌日は、高千穂に観光に行きましたが、道中のバスの中でも話はつきませんでした。

今回、参加して思ったことは研究者と生産者が協力し合い技術を高めていくといったことが、現状ではなかなか出来ていないのでは無いかという事です。日常の仕事に追われ、なかなかこのような機会に出てこられない生産者が多いのではないでしょうか?たしかに生産者が現場を離れるのは大変なことですが、1日仕事を明けることにより得られる物は大きいと思います。

これからもハイドロポニックス研究会では多くの方が参加してもらえるような興味のあるテーマを取り上げて行けたらと思っています。

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