日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

第18回研修会(実用技術編)
施設栽培・植物工場の環境計測と制御

通信員 三重県農業研究所 研究員 太田雄也

日本養液栽培研究会第18回研修会が2014年10月1日~3日の3日間、農研機構つくば植物工場拠点にて実施されました。今回のテーマは現在関心の高まっている「施設栽培・植物工場の環境計測と制御」であり、この分野に関心のある生産者、関連企業の方、大学・都道府県の研究および普及機関の職員など21名が参加しました。

研修会は施設栽培における環境計測・制御に関する講義と植物工場での環境計測や制御機器の作製などの実習から構成されており、関連知識を幅広く学べる工夫がなされていました。講義では最新の研究成果を含む栽培生理に関する内容や環境計測を行う上での注意点などの基礎知識から、測定した環境データをどのように栽培に活用するかという実践的な内容まで詳しく説明して頂けました。

実習では植物工場の施設を利用して、温度・湿度・CO2濃度・受光量等の環境条件の計測や簡易な温度測定装置や制御プログラムの作製を行いました。作製した温度測定装置がハウス内にも関わらず室温80℃以上を表示するなど、環境モニタリングが上手くいかない問題も発生しましたが、実習を通して環境計測・制御のシステムについての理解を深めることができました。

実用技術編ということで研修会の難易度も高くなるのではないかと心配していましたが、講師先生・スタッフの方々のご丁寧な指導により、内容をよく理解できました。加えて、配布資料が詳細に作られており、研修内容を理解する上でとても助けになりました。ただし、情報量が非常に多いため何度も復習をして、自分のものにする必要があると感じています。

1日の終わりにはホームルームがあり、講師先生に質問する時間がありました。勉強熱心な受講生が多く、研修会に関しての質問だけでなく、各受講生が普段疑問に感じていることについても議論をすることができ、とても興味深かったです。さらに、実習や懇親会を通して、全国各地から集まってきた受講生の方と情報交換をさせて頂いたことで、研修内容以外にも広く施設栽培や環境計測・制御に関する知識を得ることができました。受講生間で学び合えるというのも、実習が多い研修会のメリットなのではないかと感じています。

今後もこのような研修会を通して、全国から集まる意欲的な受講生と共に勉強をする機会が頂ければ幸いです。

このウィンドウを閉じる