日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

ハイドロポニックス 第32巻 第1号 要約

特集:日本養液栽培研究会の取組みとこれからの関わり

丸尾 達

東日本大震災直後から施設園芸産地の被害状況を把握し,支援に関する情報交換を現地と行って関わってきた.その取り組みについて紹介するとともに,これからの支援体制について紹介している.

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特集:施設園芸分野における農研機構の取り組み

岩崎 泰永

復興支援に関する農研機構の取り組みとして中心的な役割を果たした著者が関わった事例について紹介するとともに、7年経過して活気を取り戻しつつある産地の紹介と、今後の課題について紹介している.

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特集:岩手大学の取り組み

岡田益己・松嶋卯月

三陸沿岸地域では,水産業が主力で農業は補完的な位置にある.この農業を魅力ある産業として育て,復興の一助とするために,夏期冷涼な気候を生かした園芸作の振興に取り組んだ.陸前高田市に見本園を開設し,津波浸水域でも栽培でき,未経験者でも取り組め,さらに競合産地の少ない品目を探索した.クッキングトマトや夏どりイチゴを有望品目とし,その作型や栽培法を開発するとともに,生産者と消費者を結ぶ新たな仕組み作りに取り組んだ.

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特集:岩手県の取り組み

藤尾 拓也

岩手の被災沿岸部の農業の復興状況について、大規模経営への取り組みとしてグランパファーム陸前高田の閉鎖、いわて銀河農園の参入、JAおおふなとアグリサービスの概況について、地域の動きとして夏秋イチゴや露地野菜の導入が始まっていることを紹介した。また、昨年度までの先端プロの成果と普及状況、今年度から新規に実施する先端プロの取り組み概要を紹介した。

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特集:宮城県の取り組み~園芸生産の産地復興~

高山 詩織

東日本大震災により,宮城県は園芸の主産地であった沿岸地域が壊滅的被害を受けたが,大型施設園芸団地の整備や次世代型園芸施設の建設等,園芸施設の復旧・復興は進んでいる状況である.農水省の事業により,研究機関や関係機関が連携して実証研究に取り組み,成果があがっているものの,今後実用化された技術体系の社会実装を図るため,継続的な支援が必要となっている.

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特集:福島県の取り組み

常盤 秀夫

震災後7年が経ち,放射性物質吸収抑制対策による農産物の安全性への理解の浸透や,避難指示の解除が進んできており,施設園芸による営農再開事例が増えてきている.
本稿では,福島県内において農業や地域の復興に向けた,施設園芸の導入事例を紹介する.

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特集:富岳館高校農業クラブの授業実践による復興支援活動

望月 基希

東北地方は東日本大震災の津波により大きな被害を受けた。現地では緑化活動が行われているが、海岸でみられる塩害・乾燥ストレスが植物の生育を抑制、緑化の課題となっている。そこで、本校ではキノコ由来の植物成長物質「AOH」(植物への環境ストレス耐性付与)と「炭化ペーパースラッジ」(リサイクル資材)を組み合わせた土壌改良資材「AOHチップ」(AOH を徐々に放出する)を考案・開発した。その後、フィールド試験を行い、一定の成果を確認した。

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事例紹介:希望を持って取り組める農業法人作り

井出 寿利

50名の従業員をかかえる井出トマト農園の歩みを,就農前,就農から起業までをそれぞれ振り返りつつ,これからの農業法人の経営にとって必要なマインドについて紹介している.

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事例紹介:四季成り性イチゴ品種「信大BS8-9」の特性と普及状況

井手 一郎

四季成り性イチゴ品種「信大BS8-9」は,信州大学農学部 大井美知男教授が育成し,2010年に登録された有望品種である.夏秋期の平均糖度(Brix)は10度を超え,香りも強い.
果実品質が評価され,洋菓子店や高級フルーツパーラーなどで利用される.栽培規模は全国に拡大し,2017年には50件余に至る.その特性から「夏秋期」だけの栽培にとどまらず,「周年栽培」を開始する生産者も増えてきている.

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事例紹介:株式会社サラダボウルの取り組み

小林 太一

(株)サラダボウルは、山梨県で2004年4月に設立された農業法人である。
「農業の新しいカタチを創る」ことを経営理念に、2015年から統合環境制御システムを導入した大規模グリーンハウスでトマトの養液栽培を開始した。2019年には大規模グリーンハウスが合計で5圃場稼働を予定している。生産だけでなくマーケティングからセールスプロモーションまで関わっていくトータルフードバリューチェーンという考えのもと、今後も新たな品目・品種の生産に取り組んでいく。

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研究の紹介:平成29年度松島財団振興奨励賞「養液栽培と閉鎖型育苗装置の開発及び普及による野菜産業への貢献」の紹介

岡部 勝美

筆者が受賞した平成29年度松島財団振興奨励賞の内容の概略を紹介した。「養液栽培と閉鎖型育苗装置の開発及び普及」については、「ナッパ―ランド」及び「苗テラス」の開発と普及状況について紹介した。また、「苗テラス」と「養液栽培システム」とを結合させることにより、「葉菜類栽培」では生産・出荷の安定性、収量、品質などが向上し、「高糖度トマト栽培」では、育苗労力の大幅な低減、作付け・出荷計画の安定化、収量、品質の向上が認められたことを紹介した。

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研究の紹介:有機質肥料活用型養液でのアクアポニックス―ドジョウもチンゲンサイも美味しい―

露木 愛

ドジョウを飼育し,同時にチンゲンサイの養液栽培も行おうとするアクアポニックスの8年間の研究成果の一部である。水産養殖と水耕栽培を同時に行うアクアポニックスに、農研機構の研究成果である有機質肥料活用型養液を用いてみたところ、ドジョウ、チンゲンサイともに食味が良いという興味深い結果を得た。

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研究の紹介:蒸発散量に応じた自動給液制御システムの開発~トマトの安定生産に貢献~

今原 淳吾

大玉トマト栽培の給液制御は重要である.筆者は,トマトが失った水分である蒸発散量に応じて自動給液するシステムを開発した.開発システムの特徴は,葉面積の増加や天候に応じて給液タイミングが適切に変わるため給液の失敗が少なくなるといった効果がある.実際に,開発した給液制御装置を現地の大規模生産法人に設置して実証試験を行ったところ,設定変更回数は日射比例式の約半分に減少し,10~20%程度の収量向上効果が認められた.

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連載:ホープが語る!未来のハイドロポニックス 生産現場に近いからできることを目指して!

佐々木 達也

私は植物工場への興味から,関連したことが学べそうな大学・研究室を探し静岡大学に出会い,進学した.そして大学での研究生活を経て,植物工場から養液栽培全般に興味が増した.卒業後は生産現場に近いところで,農業の発展に貢献できる仕事をしたいという思いから,トヨタネ株式会社に入社した.本稿では,大学時代の研究成果,当社での取り組み,仕事を始めてから現場で感じたことを紹介する.

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新製品の紹介:熱でイチゴ苗の主要な病害虫を防除「イチゴ用ポータブル蒸熱処理装置」

伏原 肇

イチゴ苗のうどんこ病,アブラムシ,ハダニ類などを同時に殺菌殺虫できる防除装置について紹介している。

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新製品の紹介:ハウス栽培用CO2貯留・供給装置 agleaf ®

丹羽 祐治

フタバ産業株式会社が開発したハウス栽培用CO2貯留・供給装置 agleaf®はA重油(LSA)暖房機の燃焼 排ガスを浄化してCO2を取出し、貯留したCO2を日中に農作物に局所施用できる装置である。 もともと捨てられていたCO2を再利用するため、新たな燃料を必要とせず、大気中へのCO2排出量も削減できる環境にも配慮したエコでクリーンな次世代型CO2施用システムである。

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新製品の紹介:環境制御栽培支援システム「HERBESTハーベスト」のご紹介

磯山 侑里

協和ハイポニカが開発した環境制御装置について紹介している。

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新製品の紹介:成育調査を手軽に~茎ゲージの開発~

諏訪 誠次

トマトの生育状況を把握するために開発された茎ゲージの特徴と使い方を紹介している。

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連載:養液栽培で発生する病気の基礎知識 (12)ヘマトネクトリア属菌による病害

鈴木 幹彦

ヘマトネクトリア属菌による病害はナス科のトマトやガーベラで発生する病害で、地際付近の茎や根を褐変させ、病徴が進行すると萎凋枯死に至る。病斑部に赤~橙色の子のう殻を形成する。防除は使用資材の清浄に努め、過湿を避ける対策を実施する。

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