大阪府立大学看護学部/看護学研究科 English Japanese
大阪府立大学看護学部/看護学研究科
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カリキュラム体系

学年が進むにつれて段階的に深く学んでいけるカリキュラム体系。

*平成23年度より学部・学科が、学域・学類に変わっています。

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1年生では、 まず学域学類を越えた少人数編成の初年次ゼミナールで、能動的な学びの姿勢を身につけます。また幅広い教養を身につけられるよう共通教育科目を中心に学ぶことで、物事を総合的・多面的に理解する能力、高いヒューマニティの獲得、科学的思考能力を育成します。学生が国際社会で活躍するための語学力の育成にも力を入れ、必修科目の英語の強化に加えて、初修外国語としてドイツ語、フランス語、中国語、朝鮮語を受講できるようになっています。そして学域共通科目である生命倫理学、コミュニケーション論をはじめ、解剖生理学、生化学、医療と社会福祉学、カウンセリング論など看護の対象である人間を身体的、心理的、社会的に深く理解するための医療・保健基礎科目を学習します。専門科目としては、看護学の基盤となる基礎看護学から学習が始まります。

2年生では、 医療・保健基礎科目、専門科目が増えてきます。学域共通科目である人間支援科学論、コラボレーション論を学び、専門科目の基礎看護技術学では基本的な看護技術を身につけ、看護過程展開論では科学的根拠に基づく思考と判断能力を伸ばし、看護上の問題を解決するための過程を学びます。また療養支援看護学、生活支援看護学、家族支援看護学では、対象の状況に応じた看護を考えるために、必要な専門的知識や看護技術を修得するとともに判断能力を養い、医療環境の変化に柔軟に対応できる能力を養成します。

3年生では、 前期に療養支援看護学、生活支援看護学、家族支援看護学を学び、人々の健康を社会・文化的環境とのダイナミックな相互作用及び心身相関等の観点から理解する能力を養います。後期からは、療養支援看護学実習、生活支援看護学実習、家族支援看護学実習が始まります。これらの臨地実習では、これまでに学んだ知識と技術を活用し、対象に応じた看護を自ら考え、実際に行うという体験を通して、看護実践の基礎的能力を高めていきます。

4年生では、 3年生後期に引き続き療養支援看護学実習、生活支援看護学実習、家族支援看護学実習を行い、実習のまとめとして総合実習を行います。これらの実習を通して、人々の多様な価値観を認識し、共感的態度及び倫理に基づいた行動ができる能力を養います。また看護職者の役割と責任を認識し、保健・医療・福祉の問題にも関心をもち、他職種と連携し、リーダーシップが発揮できる能力を育成します。選択者には助産学実習・公衆衛生看護学実習・養護実習があります。総合研究では学生は自分で研究テーマを選び、教員の指導のもとで、研究に取り組むことで、自己学習能力と研究的態度を身につけます。これは、将来、看護職者として自ら研究に取り組み、看護学を発展させる力につながります。

専門教育

基礎看護学領域

看護、看護学とは何かについて、看護を受ける「人」、その人をめぐる「環境」、看護の目的である「健康」の視点から理解するとともに、基礎的な看護技術を身につけ、統合された存在である人に対して、看護独自の機能を発揮するための基本となる知識と技術を習得することを目指します。

看護学概論

 看護を学問として学ぶ導入部として、人間、健康、環境、社会と看護との関係を学びます。そして、歴史的変遷をふまえて看護の独自性、専門性に関して検討し、看護および看護学に関する理解を深めます。看護観を構築する基盤形成を目指し、実際の闘病体験をお聞きするなど、多様な観点から学習します。

基礎看護技術学II

 看護ケアの基盤となる方法のうち、日常生活援助にかかわる看護技術について学習します。講義では看護技術提供の根拠となる理論を学びます。演習では身の回りのことができない患者の食事の介助や身体の清潔への援助方法などを習得します。学生同士で、看護師役・患者役を体験することで、患者の立場や気持ちを理解するとともに、看護師としての態度を身につけていきます。

看護過程展開論

 専門職として看護ケアを提供するための基盤となる代表的な看護理論について学びます。また、看護上の問題を解決するためのプロセス、つまり情報収集とアセスメント、看護診断、計画立案、実施、評価の各段階の展開方法について学び、看護理論に基づいた看護過程の展開方法について、事例を用いた演習を行います。

基礎看護学実習I

 看護の対象となる「人」と、その人をめぐる「環境」への理解を深めるとともに看護を学ぶ動機となるよう、医療施設や介護老人保健施設や養護学校・産業保健の場等の見学実習を通して看護の実際を体験的に学びます。また、そこで働く看護職及び専門職によるケアの実際を知り、保健・医療・福祉の場において看護の果たす役割を理解します。

療養支援看護学領域

健康上の問題を有する成人期の人々へのケアについて、看護理論を基盤に、QOLの向上を目指した健康回復、健康維持、あるいは終末期を安らかに生きるための援助を行う知識と技術・態度を習得します。

療養支援論:急性I、急性II

 疾病の急性期・周手術期にある患者とその家族の身体的・心理的・社会的特徴を総合的に理解し、患者や家族の心身両面の順調な回復を促し、自立・自律した社会生活への適応を目指した援助について学習します。また、急性期・周手術期にある患者の援助に必要な看護技術を演習を通して学習します。

療養支援論:慢性I、慢性II

 生涯にわたり病気のコントロールを必要とする慢性病患者とその家族の身体的・心理的・社会的特徴を理解し、主体的に療養生活に取り組めるよう支援するための看護援助について学習します。慢性病患者の療養支援に必要な基本的技術を学び、患者−看護師役割を体験する演習を通して、実践への応用能力を養います。

療養支援論:がん

 がんの治療を受ける中で患者が体験する様々な苦痛とそれらを和らげる援助について理解します。また、がん患者と家族の療養生活を支えるために活用できる資源について学習します。さらに、がん医療にまつわる様々な倫理的問題について学び、がん患者と家族の権利を守るものとしての看護師の役割について学習します。

療養支援論:感染

 看護師は、直接対象に接して様々な看護ケアを行います。どのようなケア場面でも感染予防は大変重要です。この科目では、感染予防に関する基礎的知識・技術とともに、感染症患者や感染しやすい状態にある患者の看護について学習します。

生活支援看護学領域

保健・医療・福祉環境の変化に対応し、地域で生活する人々の健康を支援する知識・技術を学びます。生活支援看護学領域では4つの分野にそれぞれ生活支援看護学概論および生活支援論が開講されています。

精神看護学分野

 精神的健康問題を抱えている人とその家族らを対象にメンタルヘルスの維持・増進に向けた看護に必要な理論や基本的な考え方を学びます。

 さらに、その人らしい生活の実現を支援するための関係形成、対象理解、支援方法などについて学びます。

老年看護学分野

 加齢に伴う身体的・心理的・社会的変化とその特徴を踏まえて、高齢者の健康と生活を理解するための基本的な視点や理論、主な生活障がいについて理解し、その具体的な援助方法を学びます。さらに、高齢者とその家族が持てる力を最大限に発揮することを支援するために必要な看護援助技術を習得します。


在宅看護学分野

 すべての人々の生活の基盤となる家庭における看護について学びます。概論では、地域での療養生活を支援するための基本的な考え方や理論、歴史および支援システムについて学びます。また演習科目では、在宅における清潔や排泄などの日常生活援助の方法と、呼吸・栄養管理などの医療処置に伴う看護援助技術を学びます。

公衆衛生看護学分野

 地域で生活する人間発達のあらゆる段階にある人々、疾病や障がいのあらゆる状態にある人々に対して、健康を基盤とした支援を学び、医療機関・施設における看護と公衆衛生看護がつながっていることを理解します。その具体的援助方法として、地域におけるヘルスケアシステムや個別・集団・地域を対象とした支援技術について学びます。


家族支援看護学領域

親子、家族関係、家族のライフスタイルおよび家族発達に応じた支援と健康問題への援助に必要な基本的な知識と技術を学びます。

家族支援看護学概論・母性、小児
◎家族支援看護学概論・母性
 母性看護の歴史、社会的な変化とその影響、女性、子どもとその家族のニーズやライフサイクル、女性の権利などを学習し、ウェルネスの視点で支援する看護の基本を学びます。
◎家族支援看護学概論・小児
 子どもの成長発達、子どもを取り巻く社会の変化とその影響、子どもの権利、小児看護の変遷、子どもの発達段階の特徴を学び、子どもの健やかな育ちを支援する看護の基本を学びます。
家族支援論・母性、小児
◎家族支援論:母性I・II
 周産期の女性と新生児の生理的特性や適応過程を理解し、家族の状況と関連させて、看護援助について学習します。
◎家族支援論:小児I・II
 家族支援看護学概論:小児で習得した基礎知識をもとに、子どもの成長発達段階に応じた日常生活援助、健康障害や入院が子どもや家族に及ぼす影響を理解する。また、子どものフィジカルアセスメントのあり方、健康障害の状況を踏まえた看護援助への理解を深めます。

家族看護論

 家族看護論では家族看護の概念、定義、社会の変化に伴う家族形態・機能の変容、それらが家族の健康および家族のライフスタイルや家族発達に及ぼす影響について学び、家族を対象にした看護を展開するために必要な基礎知識を学びます。

助産診断技術学 I・II

 助産師は女性の一生を通して性と生殖にかかわる健康課題について支援します。この科目では、妊娠・出産・産後の母子と家族への支援や思春期・更年期の健康教育に必要な基礎知識と技術を学びます。分娩介助、新生児蘇生、受胎調節指導ができるように学びを深めていきます。


看護の統合と実践

これまでの学習をふまえ、総合研究や総合実習を通して専門職としての看護の役割を再確認します。また医療の高度化や医療提供の場の多様化に対応するための基礎的知識を習得します。

総合実習

 専門分野での各実習をふまえ実務に即した実習を行います。チーム医療および他職種との恊働の中で、看護師としてのメンバーシップおよびリーダーシップを理解し、看護をマネジメントできる基礎的能力を養います。

国際保健

 多くの健康問題がグローバル化している中で、世界の国際保健活動の基本を学びます。グローバルな視点からの学びは、国際社会のみならず国内の保健医療活動や研究においても活用できるようになります。

災害支援看護論

 災害支援看護論では、災害看護の概念と、大規模災害発生時の援助のあり方について学びます。災害現場での支援活動経験者による講演や、グループワークを通して、大規模地震発生時における看護職の役割と具体的な行動について、ディスカッションをしながら学習をすすめます。

研究方法論

 看護における研究の意義と目的、研究デザイン、データ収集方法、および研究過程の概要を学習します。基本的な研究方法を理解したうえで、学生の関心ある領域に関する文献検討や、研究計画書作成の演習を通して、看護研究を行う基礎的能力を身につけます。



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