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メッセージ

 

前期課程 修了生の声

森迫京子
大学院博士前期課程 人・環境支援看護学領域 看護管理学分野

 私が大学院修士課程に入学した動機は、臨床や教育、行政の立場で仕事をする中で、看護師の人材育成における管理上の問題に直面し、解決するためもう一度学び直したいと思ったからです。

 入学した当初は、抽象的な理論の難問と格闘し、授業や学生間でのディスカッションに多くの時間を費やしました。その過程で大学院は正しい答えを求めるところではなく、専門知識と同時に多様な価値観や考え方を理解し、自分自身の物の考え方を豊かにすることが重要であるということに気づきました。つまり、主体的に考えて自ら判断し行動するうえでの基盤となる、知識や考え方を深め学ぶことであると理解できました。

 演習では、専門知識に関した文献を幅広く調べ、自分の考えを言語化し論理的に述べることが求められ、今までの経験の枠組みを超えて、多角的な視点で考える難しさを実感しました。このような中で授業以外での同期の助言や、先輩・後輩との交流は視野が広がる機会となりました。論文作成では最も苦手な書く作業に時間を要しましたが、理論をに基づき経験を振り返ることで、今後の課題を見出すことができました。

 今後は大学院で学ばせて頂いたことを実践に活かせるよう、多くの方々の考えや意見に耳を傾け、できることから少しずつ看護の質の向上に参画していきたいと考えています。

吉田佳代
大学院博士前期課程 家族支援看護学領域 小児看護学分野 CNSコース

 私は、自分自身が行ってきた子どもと家族への看護が、本当にそれで良かったのか、ずっと振り返りながら葛藤を抱えていました。そして、子どもと家族への思いを形にしたいと考えるようになり、小児看護専門看護師の道を進むことを決心し、本学へ入学しました。

 大学院の2年間では、様々な経歴をもった同級生と、様々な視点からディスカッションをすることで、捉え方の多様性の理解を深めることができました。また、実習において、CNSの役割を果たすケアをするために、教授と夜遅くまで話し合い、試行錯誤しながら子どもにとっての最善を目指すケアとは何か考え、実践してきました。この2年間で調べた資料、読んだ文献、プレゼンテーションの準備、研究のプロセス、様々な人との関わりなど机に向かう勉強だけでは得られない学びを手に入れ、入学前に想像していたよりもずっと多くのことを学ぶことができました。

 この2年間の学びにより、子どもと家族に向き合う姿勢を確かなものにすることができました。特に、自分自身の傾向を新たな視点から発見したことは、私にとって大きな収穫でした。

 現在、新しい職場でのスタートをきったばかりですが、大学院での学びを活かし、関わりのプロセスを大事にしながら看護を提供していきたいと思います。

唐澤里子
生活支援看護学領域 地域看護学分野

 私は2011年3月に大阪府立大学看護学部を卒業し、同年4月に大学院に入学しました。大学院を志望した動機は、保健師活動を実践していくうえで地域が抱える健康課題を見出し、支援方法を考える保健師の技術や分析方法をより専門的に学びたいと考えたためです。

 大学院では、学生が主体となって授業が進んでいきます。授業の準備には多くの時間を要しますが、多様な経歴をもつ同級生と議論する機会や、多くの文献を読み重ねることで、看護学に関する幅広い分野の知識を深め理解することにつながりました。さらに、修士論文の作成にあたっては、先生方にご指導いただきながら研究計画書の作成から調査、分析等の一連の流れを通し、研究の難しさを知るとともに、1つの研究課題を追求していく面白さを実感しました。調査は育児中の母親を対象とした子育て支援の場で行いました。大学院を修了できたのも先生方をはじめ、多くの方々の支えがあったからこそだと思い感謝しています。

 現在は、京都市で保健師をしています。忙しい業務のなかでも常に問題意識をもち、地域住民にとってよりよい支援を行いたいという思いを大切に活動しています。今後も、大学院で培った地域をみる視点や分析能力を対象者への支援や業務改善につなげることを目標に保健師活動を展開していきたいと考えています。

梺J理恵
療養支援看護学領域 がん看護学分野 CNSコース

 大学院では、入学以前に自分が漠然と捉えていたがん看護について、学んだ理論や概念をもとに同級生や先生方と多くの時間をかけてディスカッションを重ねる中で自らの考えを整理することの難しさと患者の理解を深めることの楽しさを学びました。

 また、他大学、他職種の大学院生と共に学ぶ機会も多くあり、互いの役割を尊重しながら、看護師として患者と家族をどのように捉え、どのようなケアが必要か根拠を示し伝えていくことの大切さを学びました。これは院内のチーム医療における自らの活動の基盤となっています。

 現在私は、病棟や緩和ケアチーム・緩和ケア外来等で活動しています。ケアをする際には、コンサルティやチームスタッフとカンファレンスを行いながら、患者と家族を全人的に捉えられるように、様々な情報や多職種の考えをつなぐ役割を担うことを心がけています。

 また、大学院での講義やプレゼンテーションなどでの学びを活かしながら、地域の病院における緩和ケア研修の講義や企画運営も行っています。地域に戻られた患者に適切な緩和ケアが実践できるように、看護師の知識の習得をサポートすると共に、緩和ケアに関する地域との連携体制構築の役割を担うことも目指しています。

 看護研究においては大学院で学んだ研究の基礎を活かし、計画書の作成から学会発表まで、一つ一つの過程を大切にし、自分達が疑問に思ったことや看護実践を言語化することの大切さと楽しさを伝えながら一緒に取り組んでいます。

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後期課程 修了生の声

大平肇子
生活支援看護学領域 母子健康看護学分野

 大学院博士後期課程での学びは、脳細胞をフルに活動させたワクワクする、そしてスリル満点の経験でした。多くの科目で新しいことを学び、考え、思う存分議論し探求する面白さを実感しました。プレゼンテーションの前は緊張し、重い足取りで大学へ向かうこともありましたが、気づきが深まるディスカッションができたり、ハッとするような意見がもらえたりと自分が成長できる貴重な時間でした。

 研究を進めるプロセスでは行き詰ったり、思うように時間が作れず焦ったり、今更ながら自分の無力さに落ち込んだこともありました。迷路にはまりこんだ様でジタバタした時期もありましたが、ともに学ぶ仲間たちや指導教授に励まされ支えられました。修了後も母性看護学分野の院生と修了生が一緒に学びディスカッションするゼミに参加しています。このゼミを通して視野が広がり、同じ分野の人々とのつながりもでき、ありがたく思っています。

 現在は看護教育に携わっており、大学院で学んだことを活かした教育ができるよう心がけています。同時に大学院で行った研究を進め、女性の健康を支援する活動を続けています。また論文投稿にあたり改めて自分の研究を見直すと、不十分な点や改善点が見えてきます。大学院修了は決してゴールではなく、研究のスタートを切っただけなのが良くわかります。

 今後は、教員としては学生が楽しく探求することをサポートできる教育者であり、研究では真摯に研究課題に向き合い、かつ楽しく探求できる研究者でありたいと思っています。

三吉友美子
生活支援看護学領域 看護管理・教育学分野

 進学を考え始めた頃、私はとても不安に感じていました。現在の仕事量で手いっぱいなのに、それ以上に時間を捻出することができるのか、ましてや愛知県からの通学が可能なのか。他大学の修士課程修了者である面識のない私を受け入れていただけるだろうか。そういった不安は、先生にお会いして受験の意思が固まると、すっと消え、晴れやかな気持ちで帰途についたことを記憶しています。取り越し苦労をせずに一歩踏み出す勇気が大切なのだと思います。入学後に知ったのですが、同期の中には私より遠方から通学する仲間が複数おりました。そういった仲間達の学修意欲の高さには常に刺激を受けました。

 1年目は基盤教育となる「看護学研究方法論」(必修)、「看護学研究方法論演習」(選択)、「看護理論開発方法論」(選択)などを履修しました。課題が多く大変でしたが、自分が用いない研究手法についての知識を得る貴重な機会になりました。また、同期の仲間と話をする機会が得られたことは、財産になりました。研究については新たな経験の連続でした。わからないこと、困っていることを解決するための情報をどう得るかといった情報収集段階からの計画をたてて、手探り状態ですすめました。このような体験から、新たな困難や課題が今後生じても、逃げない姿勢を身につけることができたと感じています。

 また、研究計画段階から複数の先生方がご指導して下さる体制であったことは、多くのご意見をいただく機会になり、研究の精度を高めることにつながったと思います。多くの人々の協力と支えがあって修了できたことへの感謝の気持ちを忘れることなく、努力していきたいと思います。

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